なんというか、「らしい」といえばそうですが、ものすごい虚しさに帯びるニュースがありました。いや、そういえば毎日そんなものばかりでしたけど・・結論から言いますと、「政権交代決まったし、次の大統領が『合理的に解決しよう』と言ったのに、日本はそれでも佐渡金山の世界遺産登載を予定通り進めると言った!」です。虚しいですね。
複数の韓国メディアの報道をまとめると、11日、定例ブリーフィングで、林芳正外相に誰かがこう質問しました。「韓国の政権交代が、佐渡金山世界文化遺産登載に影響を及ぼすのか」。林外相はこう答えました。 「佐渡金山の文化遺産としての素晴らしい価値がユネスコで評価されるように、韓国を含む関係国と冷静で丁寧に議論します」。ただこれだけの案件ですが、各メディアの報道が妙なニュアンスに走っています。もっとも分かりやすい記事を、一つ引用してみます。以下、各メディア<<~>>がソース記事からの引用部分となります。
<<日本政府が「韓日対立を合理的に解決しよう」としたユン・ソギョル大統領当選者の発言とは関係なく、佐渡金山(※原文では鉱山)の世界文化遺産登録推進は強行するという意志を再確認しました。林日本外務相は定例ブリーフィングで「素晴らしい価値が評価されるようにする」、「ユン当選人をはじめとする韓国の新政府と冷静で丁寧に議論していく計画」と話し、強制労役はなかったという既存の立場を押し通す意志を示唆しました(OBS、首都圏地域のローカルテレビ局です)>>。
他に、ほぼ同じ内容なので引用はしませんが、KBSなど他にも複数のメディアが、政権交代があったとしても、既存の立場を変えないという意味だと解釈されます、と報じています。いや、解釈も何も、変わらないでしょう。韓国の大統領が変わったのに何で日本が世界遺産の登載を止めなければならないのですか。
保守系とされるTV朝鮮(朝鮮日報系列の総合編成チャンネル)もまた、<<・・ユン当選者は候補だったとき、日韓の様々な問題を一括妥結する「グランドバーゲン」構想を主張したことがあります。しかし、日本政府は佐渡金山のユネスコ世界遺産登載の推進を、韓国の政権交代とは無関係にそのまま推進すると明らかにしただけに、両国関係の再設定に成功できるかは慎重な態度で見守らなければならないでしょう・・>>としています。これぐらいでうまくいかないグランドバーゲンなら、やったところで何も成果もないでしょうに。
なんというか、まだ政権は始まってもいないのに、韓国側の一部の(結構な数の)メディアからは、『日本に貸しができた』な論調が見られます。日本が親日大統領の誕生にものすごく喜んでいると、『相手の心情を自分勝手に決める』悪い癖がまた出てきたのでしょう。韓国民が韓国のためだと思う人を大統領として選んだだけのことです。なんで日本が韓国に合わせる必要がありますか。日本の総理は日本のために働き、韓国の大統領は韓国のために働いて、その路線に共通するものが見えたとき、そこから接点が見えてくるものでしょう。無理して合わせようとすると、そんな関係は長続きしません。価値観が同じなら自然に接点も出来るでしょうし、そうやって友好関係も出来上がるでしょう。それができないから『平行線』が続いているわけでして。
そういう意味では、むしろYTNの記事のほうが、スッキリする気もします。論調だけでなく、露骨に「日本がこれでは、改善なんかできそうにない!」とビシッと言い切っていますから。<<・・自民党内の強硬派たちは、韓国に保守政権が出来たとして両国関係が良くなるという考えは、夢物語だとしています。特に過去史問題で日本が譲歩することはありえないと声を高めています・・
・・【佐藤正久 / 日本自民党外交部会長 : ユン・ソギョル当選人は両国関係について歴史・安全保障・経済を一つのテーブルに載せて包括的に解決すると言いますが、それは日本の譲歩を前提とした非現実的な主張を繰り返しているだけです】。韓国との関係改善を語りつつも、日本政府は核心懸案である過去史問題を無視しています。このような立場が変わらない限り、新政府発足でやってきた機会を生かすこともできないだろう、という見通しが出ています>> そう、この方がスッキリします。悪い意味で、ですけど。
今朝は特に複数のメディアを紹介しましたが、最後に、「リップ・サービスを本気にしてしまった」記事で終わりにしたいと思います。以下、MBNの記事で、同じ案件を伝えた後、なぜか最後にこんな内容が出てきます。<<・・(※佐渡金山に関し、林外相の発言など同じ内容を報じた後に)岸田日本首相は、ユン・ソギョル大統領当選者に「当選を歓迎する。 心からおめでとうございます」とする祝電を送りました。 続いてユン当選者のリーダーシップを期待するとして、日韓関係の発展のために緊密に協力すると明らかにしたとも言いました(MBN)>>。 なんでこれがこの案件の最後に出てくるのでしょうか。『自分で言ったじゃないか!』とでも叫びたいのでしょうか。
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