韓国の週刊朝鮮(朝鮮日報の週刊紙)に、朝日新聞主筆出身の船橋洋一博士とのインタビュー記事が載りました。相変わらず『日本は韓流ドラマが大人気で~』などわけわからない主張が多く、長く引用したり紹介したりとは思いませんでした。
でも、その中で一部、「あ、これは珍しい書き方をしているな」と個人的に思える部分があったので、そこをメインに書いてみたいと思います。以下、週刊朝鮮の記事から引用しますが、船橋さんの話した部分は赤い「~」だけです(引用部分の最後あたりです)。記事全体からすると趣旨としては似たような展開になりますが、基本的には記者さんが書いた内容になるので、その点はご注意ください。<<~>>が引用部分となります。
<<・・韓国が見る日本は、概ね、韓日関係の中の日本だ。日本が見る韓国は、アジア、さらにはグローバルレベルの韓国だというのが、日本の知識人たちの言葉だ。日本はなぜ韓日関係の中での韓国として見ないのだろうか。2つの背景がある。まず、韓日関係の中で韓国を見た場合、過去歴史問題が主な議題として浮上するせいだ。合意点も無いし、感情的に傷つくだけだ。二つ目は、現実政治に対する姿勢が違う。例えば、韓国で取り上げられている台湾問題は、『興味深いウォー・ストーリー』の一つとして映るだけだ。
本当にそんな事態が起きた場合、貿易路、エネルギー輸送路などにどのような被害を及ぼすか、そんなことについての観察や分析は、ほとんど無い。日本は違う。前の時代の体験もあるが、最悪の状況を想定した現実政治こそが、常に日本外交と世論の中心にある。韓国が見れば、臆病だとか、大げさだとか、そんなふうに見えるだろう。しかし、日本としては、韓国の無関心と無神経が不安に感じられるだけだ。『台湾問題は現実的になった、エネルギー海上ラインはどうなる』というのが、ウクライナ事態に対する日本人の平均的な認識である・・
・・「韓国のことは別にどうでもいい(With or without Korea, it doesn’t matter)」 これは、対米専門家たちが、文大統領に対するワシントンの雰囲気を圧縮して伝える言葉として有名だ。韓国は二流の同盟国になっているという意味でもある。東アジアで米国の一流同盟国は、もちろん日本だ。日本自ら積極的に出ていることもあり、二流同盟国なんか無くても日本とオーストラリアだけでも有事に対処できるという見方が、ワシントンに広がっている・・
・・(※そんな韓国には日本との協力が必要だが、新しい大統領の誕生はどれぐらい影響するだろうか、という展開として)新大統領が誕生した韓国との関係が、日本の政治圏でもある程度は扱われていると見られる。しかし、船橋博士はこう言う。 「日本としては、ウクライナ事態で生じた問題がもっとも緊急な案件です。ヨーロッパとの協力、ウクライナ難民収容問題は、岸田文雄内閣の最大懸案です。ウクライナ事態に関連した日本の対応は、中国に対して示すものでもあります。これまでは、韓国で新任大統領が誕生すれば、外交の最高の懸案として浮上したりしました。しかし、今年は緊急なウクライナ・ロシア問題などの順位が、ずっと優先です・・・文大統領に対する不信感が強かったこともあり、岸田総理は、新任大統領が登場するとしても、すぐには動かないでしょう。いったん新しい大統領の意向を見ながら、それから少しずつ動くやり方を選ぶでしょう・・」>>
実はこれ、私も何度も同じことを考えました。もともと両岸問題に無関心というか、『他人事』感が半端ない韓国ではありますが、ウクライナ事態においても輸出がどうとかの内容ばかりで、両岸問題に関した話はほとんど出てきませんでした。それを『興味深いウォーストーリー』と書いたのが、かなりうまい表現ではないでしょうか。本当は自分も関わることなのに、まるで映画を見ているような、そんな感じである、と。韓国が日本と関係改善(協力を増やすという意味で『改善』を使うなら、ですが)を考えるなら、『韓国から見た、日韓関係の中にある日本』ではなく、『日本・世界から見た、国際情勢の中にある韓国』を『直視』したほうが、協力できる可能性も増えることでしょう。さて、『外交』はもちろん、政治もしたことが無い尹 当選者にどこまでできるのでしょうか。早くも『韓国から見た、日韓関係の中の日本』の話ばかり出てきますけど。
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