日本の有権者57%、ウクライナ事態で「核共有について議論すべし」・・韓国では「クアッド加入しようとすると、ウクライナのようになる」という主張が登場

ウクライナ事態を見る日本と韓国の視覚には大きな差があると、前にも紹介したことがあります。

韓国が見る『日本』というのは、韓日関係の中の日本でしかなく、日本が見る韓国は、国際情勢の中の韓国だ、という内容でした(週刊朝鮮の記事より)。日本では、ウクライナ事態を見て、台湾のことを懸念し、最悪の状況を想定した現実的な議論が起きており、それは世論も同じです。しかし、韓国にとってウクライナ事態はおろか、台湾に関する懸念そのものがまるで戦争映画のようなものでしかなく、貿易路、エネルギー輸送路などにどのようなことが起こるか、そんな考察も分析もほとんど無い、と。

今回はその派生のような話ですが、安倍元総理によって提案された「NATO式核共有」と、尹錫悦(ユンソギョル)当選人のクアッド加入に関し、日本と韓国で真逆とも言える方向性が生じています。ただ、日本側の場合は世論のデータですので、これといって問題ありませんが、韓国のクアッドの話は世論調査データが見つからなかったので、左派系メディアの記事がソースとなります。似たような主張が他に無いわけではありませんが、こちらのほうが分かりやすかったので(特に引用最後の一行)。

ご存知、「左右葛藤」が強い韓国ですので、そういう話であり、まだ世論がどうなのかは分かりません。米国側から「参加国を増やす案はない」という発言が出てから、そこそこ目立つようになった気もします。この点だけ前置きさせてください。それでは、まず日本の世論調査から見てみましょう。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<ロシアのウクライナ事態を契機に、日本で安保に対する不安が大きくなり、安倍晋三元首相が主張した核共有議論に賛成する有権者も多いと調査された。毎日新聞が社会調査研究センターとともに日本有権者を相手に行った電話世論調査で、中国・台湾関係に不安を感じる回答者の89%に達した。不安を感じないという回答は11%だった。

米国の核兵器を日本に配備、共同運用する核共有を議論しなければならないという意見も57%で、議論に反対する回答32%より多かった・・・・共同通信が19~20日に実施した世論調査の結果からも垣間見ることができる。「ロシアのウクライナ事態が、台湾や尖閣諸島に対する中国の動きを誘発するきっかけになる」と懸念するという意見は75.2%に達した。 一方、憂慮しないという回答は17.2%にとどまった・・(聯合ニュース>>

 

逆に、韓国ではクアッド加入に反対する意見が次々と表明されています。まだそこまで目立つわけではありませんが、そもそもクアッド関連が韓国では結構マイナーな案件です。反対する理由は、クアッドは言わばNATOのようなもので、NATOに加入しようとしたウクライナに対してロシアが行ったことを、クアッドに加入しようとする韓国に対して中国が行うかもしれない、とのことです。さて、いつものことと言ってしまえばそれだけですが・・この日韓の認識の差はいったいどこから来ているのでしょうか。『状況の一部』という感覚が足りない、というかなんというか。

 

<<・・クワッドのような安全保障同盟は、誰かを友人にするのと同時に、別の誰かと対立することだ。中国のことを考えると、無理して加入する必要があるかというのが、リチャード・アミテージの忠告だ。強大国ロシアが起こしたウクライナ事態を招いた原因は、ロシア、プーチンの膨張主義が最も大きいが、ウクライナ政権の北大西洋条約機構(NATO)加入の試みも重要な作用をしたことを、見落とすべきではない。ウクライナのNATO加入の試みは、ロシアが見ると、ウクライナの価値を高めることではなかった。ウクライナがロシアを封じる策でもなかった。ただロシアがウクライナ事態を起こす名分として悪用された。

尹当選人の外交安保総括幹事だったシン・ボムチョル、経済社会研究院外交安保センター長は、韓国がアジア版NATO(※クアッド)に加入すれば、中国が見る韓国の価値が上昇すると述べた。このような認識が、尹当選人側に蔓延しているなら、それは韓国の未来を暗くするものだ・・・・クワッド加入は、急いではいけないし、急ぐこともできないことだ。中国牽制を目的にした同盟に加入すれば、韓国と中国はどんな形でも対立するしかない。こうした問題を、尹政府が勝手に決めることはできないだろう。そして、日本との軍事同盟には、何よりも信頼構築が優先だ。尹政府が、岸田内閣と、その背後である安倍晋三からシャ○イ・バ○ショウを受けとった後にこそ、試みることができることである(オーマイニュース、歴史専門キムジョンソン記者)>>

 

 

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