韓国ではいつも政府が作成した「ブラックリスト」が問題になります。事案によって少しずつ意味が異なったりしますが、今回の場合は、「政府からして気に入らない機関長(基本的に前の政府が任命した人)などを、圧力をかけてやめさせる」という内容になります。現政府とて、前の政府が任命した各機関の長を辞任に追い込んだり(人事に介入する)する権限はありません。各機関はもちろん、文化方面にいたるまで、様々なブラックリストが存在すると言われており、確か、朴槿恵氏の有罪目録にも、このブラックリスト作成および実行がありました。
ですが、その朴槿恵大統領の弾劾で大統領になれた文政府が、あらやだ、そんなはずないんですけどね、同じくブラックリストを作成したことで、検察が政府(産業通商資源部)への押収捜索(家宅捜索)を行いました。国民日報の記事によると、『法と原則に基づいて捜査しているだけだ!(きりっ)』としていますが、訴が提起されてから3年以上、何もしませんでした。詳しくは、無茶苦茶怒られて、動こうともしませんでした。あらやだ、そんなはずないんですけどね、「次の人」決まったから動いたのでしょうか。
以下、ソース記事によりますと、ソウル東部地検は25日午前、「産業通商資源部」原発関連部署に対する押収捜索を行いました。検察関係者はマスコミなどに「法と原則にもとづいて捜査を進行する一環である」と話した、とのことです。ですが、該当事件は「自由韓国党(こちらも随分と党名を変えますが、いまは『国民の力』と言います)が2019年1月に訴を提起したものでして。3年待つのが原則なのかどうかは分かりませんが、やっと動いたことになります。
訴の内容は「韓国電力傘下発電所4社の社長が、産業部(産業通商資源部)の圧迫で一括して辞表を出すしかなった」というものでした。現・文政府が始まった直後、朴槿恵政府に親しい人たち、または文政府のやり方に同意しない人たちを、そんなふうに追い出した、と。ご存知、文政府は最初から脱原発を強く推進していましたので(結局、なんの実績も残せませんでしたが)、特に電力関連で意見が合わない人たちを放っておかなかったのではないか、そう言われています。当時、各発電会社の社長たちは、任期が1~2年は残っていたのに、急にやめてしまった、と。
他に、貿易保険公社、地域暖房公社、エネルギー公団、鉱物資源公社などにも同じ手を使った可能性があり、国民の力(自由韓国党)側の主張だと、産業部の人たちが、産業通商資源部の長官・次官たちから命を受け、気に入らない人たちを全員追い出してしまったそうです。産業通商資源部の局長・課長たちには、前政権が任命した人を○人以上辞任させろ、という『ノルマ』まであった、とも。そこで自由韓国党が、関連者たちを告発したわけです。そのまま3年過ぎましたが。繰り返しになりますが、これは朴槿恵大統領の有罪判決にも、似たような内容がありました。自由韓国党としては、仕返しのつもりだったかもしれません。
それから「環境部」に対して同じ理由で操作をしていた検事が、人事で落ちたり左遷されたり、妙な動きがいろいろとありました。ソウル東部地検で『ブラックリスト』を捜査していた部長検事が、事実上の左遷でしかない人事で検事をやめることになりました。同じ地検の次長検事も、検事長昇進からオチた後、検事職を止めました。その中の、前者の部長検事だった人が、いまは尹錫悦(ユンソギョル)当選人の引受委員会に所属しています。とてもとても分かりやすくて助かります。
最後にちょっとだけ引用(<<~>>の部分)してみますと、<<・・先に本件についての疑惑が提起された時、産業通商資源部は「ブラックリストなどは存在しない。傘下機関長の辞退を法的に強いる権限もない。彼らは自発的に辞任したと聞いている」と解明した。先立って大統領府も入場文を出して、「文在寅政府にブラックリストは存在しない。韓国政府は前政府で任命した公共機関長などの任期を尊重してきた」と明らかにした>>、とのことですが・・なぜでしょうか。ぜんぜんそうは思えません。
さて、一時は、南北首脳会談のとき、原発関連データを北朝鮮側にUSBで渡したという話まで出ていた文政府。ついでに原発関連でももう少し『ネタ』が出てきてくれないか、気になるところです。しかし、まだ新しい政府はスタートもしてないのにこれですから・・これ、いろいろ大変なことになりそうですね。
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