何のための挑戦なのか

2020年10月あたりだったと記憶しています。WTO事務総長に韓国のユ・ミョンヒ氏が出馬し、結果的には落選となりました。個人的いに、その結果よりも気になったのは、ちょうどその頃、いわゆる輸出管理厳格化問題が起きていたことです。WTO事務総長選挙の2ヶ月前、8月2日の国民日報に、こんな記事がありました。以下、短く引用してみます。各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<・・(※2020年8月)2日、大統領府と外交部、企画財政部、産業通商資源部などは、今年の初めから、日本への対応策を模索してきた。この作業は、最近、事実上完了したことが分かった。日本政府が関税を引き上げたり、ビザの発給を制限すると、私たちも関税引き上げやビザ発給制限で対抗して、輸出管理厳格化(※原文から表現を変えてあります)については、世界貿易機関(WTO)に訴を提起するというものである・・>>

 

当時、輸出管理厳格化(優待措置を無くしただけですが)のことで韓国側は大騒ぎで、ユ・ミョンヒ氏のWTO事務総長への挑戦も、同じ流れのためのものだったのではないか、今でも私はそう思っています。日頃の行いというか、そう思わないのが難しいでしょう。国連事務総長を「世界大統領」と呼んだりするわけです。事務総長になればWTOを日韓関係に巻き込めると思ったのでしょう。

 

そして、去年10月1日、本ブログでは外交部長官(元)として知られているカンギョンファ氏が、国際労働機関(ILO)の事務総長に挑戦するという記事が流れました。わざわざ引用はしませんが2021年10月1日の各メディアの報道によると、カンギョンファ氏が事務総長に立候補した、政府が発表した、そうなっています。

その頃に何があったのかというと、いわゆる旧朝鮮半島出身労働者問題において、日本企業側が、2件連続で勝ちました。去年9月9日のマネートゥデーの記事を引用してみますと、こうなっています。 <<・・原告側の敗訴と結論する裁判が相次いでいる。裁判所が「時効」を理由に請求権を行使できる期限が過ぎたという判断を下しているからだ。 8日、裁判部がまた原告の請求を棄却した。

裁判部は、最高裁判所が2012年5月に判決したので、この時点を基準に3年内に請求権を主張しないとならないと判断したのだ。このように、時効による敗訴は、先月裁判でもあった。時効が過ぎたという同じ法理で、原告請求が棄却された。去る6月ソウル中央地法で開かれたもう一つの裁判では、「韓日請求権協定は個人に対する請求権まで対象としている」という理由で請求が棄却されたこともある・・>>

 

覚えておられる方も多いでしょうけど、まだまだ1審での話ですが、この時期に却下判決が相次ぎました。そんなとき、同年10月、急にカンギョンファ氏が国際労働機関事務総長に挑戦すると言い出したわけです。どう考えても、本件、またはそれ以外のなにか(例えば端島など?)で、別の狙いがあったと見るべきでしょう。引用するほどの情報はありませんが、外交部など政府はカンギョンファ氏をかなりプッシュしていて、各国に支援をお願いしたりしました。でも、いざ国内の労働者関連団体では、歓迎するわけにはいかないという意見を出したりもしました。そんな資格がある人ではない、というのです。

 

で、25日、投票がありましたが、結果は、カンギョンファ氏は落選、トーゴ出身の「ジルベール・ウングボ」氏が当選しました。ここからは聯合ニュースの記事です。<<国際労働機構事務総長に挑戦したカンギョンファ元外交部長官が、苦杯を喫した。25日(現地時間)、スイスのジュネーブ本部で開かれた次期事務総長2次選挙で、トーゴ出身のジルベール・ウングボ国際農業開発基金(IFAD)総裁が当選を確定したと明らかにした。カン元長官は予想通り一次投票を無難に通過したが、アフリカ候補への圧倒的な支持を超えることはできなかった・・>>

率直に言って、『落選してせいせいした』と思ってしまいました。確信はないし、調べる方法もありませんが・・WTOだの国際労働機関だの、これは本当に『本来の目的』のための挑戦だったのでしょうか。ただ、日韓関係において『使える』と思って、ただそれだけの理由でやっただけではないのか。そんな気がしてなりません。繰り返しになりますが、これはK側の『日頃の行い』があるから、でしょうか。それとも、私の心が曇りすぎただけでしょうか。

 

 

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