日本の防衛力関連、特に核共有に関する話は、日本よりも韓国のニュースで話題になったりします。安倍総理がNATO式の共有(詳しくは「そのための議論」の必要性)を話してから、各メディアはアベガーとかなり盛り上がりました。
でも、そのあと、岸田総理がいつもの「非核三原則」を話し、また、彼が広島の国会議員出身という点もあって、そこでいったん騒ぎは治まるようにも見えましたが・・その岸田総理、多少迂回的ではあるものの、本件に肯定とも思われる発言をするようになりました。この件で、昨日あたりからまた同じ趣旨のニュースが増えています。ソース記事のYTNもそうですが、多くの記事に共通する内容は、『現実論』を話すようになった、という点です。以下、<<~>>が引用部分となります。
<<『核、現実問題・・変わった日本の反応(題)』 米国バイデン大統領は、核の使用を相手国の核攻撃を阻止するため、または反撃する場合に制限する公約を廃棄しました。これには、米国の核の傘に頼る日本など同盟国の立場も影響しました。広島出身の岸田首相は就任後、「核兵器のない世界」を作るとして国内外で活動を続けてきました。しかし、ロシア核という脅威の前に、理想のために努力することも重要ではあるが、現実は厳重であることを強調するようになりました。
【岸田文雄/日本首相:「現状と、高い理想。これを同時期に比較するのは無理です。厳重な現実の中で、国民の生命と生活を守るために現実的にしっかり対応していかなければなりません」】。岸田首相は今後、ウクライナ情勢の展開によって「戦後最大の危機を迎える恐れもある」と懸念しました。ここに加え、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル発射まで重なり、日本は画期的な防衛力強化に乗り出すと公言しています・・>>
原文を見てみましたが、「現状と高い理想、これを同じ時期に比較するということは、それは無理な注文です。厳しい現実の中で、国民の命や暮らしを守るために、現実的なしっかりとした対応をしなければいけない。しかし、このことは、未来に向けて、核兵器のない世界を目指すという理想に向けて前進するということとは矛盾するものではないと思います(首相官邸ホームページ)」になっていました。かなり優しい表現ではありますが、少なくとも現状においては『理想』と『現実』を確実に分離しているニュアンスなのは間違いないと思われます。確かに岸田総理、いや歴代総理(現役のとき)の発言にしては、今までとは違う気もします。
日本の有権者の皆さんは、安倍元総理の意見に賛成していることが明らかになりました。前にも紹介したことがありますが、先週の聯合ニュースの報道によると、「安倍晋三元首相が主張した核共有議論に賛成する有権者が多いことが分かった」とのことでして。毎日新聞の調査で「中国・台湾関係に不安を感じる」が89%。米国の核を日本に配備、共同運用する形の「共有」を議論すべきだという意見も57%で、議論に反対する32%を大幅に上回りました。繰り返しになりますが、これは『議論』に賛成するという意味です。でも、日本において核関連の話がここまで肯定的に受け入れられるのは、私が知っている限りだと初めてではないでしょうか。
ちなみに、米国側は、政府レベルではこの件にちゃんとコメントを出していません。でも、文化日報の報道からの引用ですが、「ウォールストリートジャーナルは1日、『日本で提起されている新しい論争』という社説で、『核共有は米国がアジアで同盟を深化させる機会になれる』と評価した。また、安倍元総理の提案に対して『グローバル秩序が危ないこの時代に、検討してみる価値がある』とした」、とも。
こんな中、バイデン米大統領の訪日(5月予定でした)を4月に前倒しにする話も出ています。何か、急に話すべきことでもあったのでしょうか。ダイの大冒険が急に再放送になった件とか、ぜひ議題にしてほしいものです。でも、日米ってなんだかんだで往復だけでも時間かかりますから・・4月中に米大統領が訪日する余裕はあるのか、という『現実的な』問題もあるでしょう。まだわからないけど、もし4月訪日になったら、韓国としてはとても困ることになるかもしれません。なぜなら、訪日してから訪韓して新大統領と首脳会談する案があったからです。新しい大統領就任式は、5月です。10日だったかな。
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