別に初めて見たわけでもありませんが、日本の教科書の件で、韓国側は大騒ぎになっています。竹島領有権とか、旧朝鮮半島出身労働者とか、そんな内容で騒ぎが起きているのも、いつもと同じです。
ただ、一ついつもと違う点があるなら、それは、尹錫悦次期大統領当選人が、駐韓日本大使 相星孝一氏と会って未来志向がどうとかの話をした、翌日だということです。本ブログでも紹介しましたが、尹当選人が話した未来志向というのは、現時点ではこれといって価値がないもの、他に言うことがないから適当に言い出したもの、具体的には何も決まっていないもの、一方的なもの、そんな類のものだと思われます。それに、相星大使も迂回的ではありますが基本条約を持ち出し、基本条約(国交正常化)こそが日韓関係の基本である点を強調しました。
しかし、韓国側ではこのような内容はほとんど注目されていません。ただ尹当選人が『未来志向』を言った、すなわち、いつものフレーズを借りるなら、『手を差し伸べた』的な報道しかしていません。そして、日本側も肯定的に反応した、というニュアンスになっています。それは、ま、大統領当選人が大使と会って(具体的な意味はともかく)未来志向がどうとか協力がどうとか言うのに、大使が露骨に否定的な反応をするわけはないでしょう。これまたいつものことですが、そういうマニュアル的な部分が、韓国では『日本も肯定的に~』に見えたようです。
で、そんなときに、日本の教科書検定関連ニュースが飛び込んできました。尹当選人がミライシコウガ~とした翌日に、今回は外交部が熊谷直樹総括公使を招致、抗議する事態となりました。当然、一部のメディアからは『大使と会ったばかりなのに!』という記事が出ています。いや、相星大使が新型コロナにかかったことで面談(礼訪)が遅くなっただけで、別にタイミング合わせたわけでもないですけどね。以下、から引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<・・政府は教科書によるこの歴史ワイキ○クを強く糾弾しました。新政府の発足とともに、日韓関係の復元を試みる状況で、また新しい障害物として作用するという観測が出てきます。外交部は今日(29日)午後、熊谷直樹駐韓日本大使館総括公使を呼び、抗議しました。これに先立ち、外交部スポークスマンは声明を出し、「自国中心の歴史観によって事実をワ○キョクした教科書を検定通過させたことに対して深い遺憾を表明し、是正を促す」と明らかにしました。
特に「私たち固有の領土である独○に対するとんでもない主張」、「イ○ンフ問題、旧朝鮮半島出身労働者問題おいて強制性を希釈」しようとしたと強く批判しました。教育部も声明を通じて批判しました。「日本の学生たちが間違った歴史観を持って成長すれば、北東アジアの平和を阻害し、日本の孤立を招くことになるだろう」と強調しました。
尹錫悦当選者が日本大使に会って徳談を交わしてから、わずか一日で、新しい変数が突出してしまったわけです。【尹錫悦/大統領当選者:「韓日関係は未来志向的に必ず改善となり、過去のように良い関係が緊急に復元されなければならないと考え、両方とも多くの努力が必要と思われます」】
根本的な問題は、日本の強硬な態度という指摘です。【ジンチャンス/世宗研究所 日本研究センター長:「日本が積極的に呼応して私たちと一緒に行けばいいだろうに、安倍元首相を中心に強硬派が政治権を掌握しているため、韓国に対して容易に妥協をするのが難しい状況です」】。教科書問題以外にも佐渡金山世界遺産登載の試みなど懸案が山積した状況、より長期的な観点から細心の対応が必要と思われます・・>>
原文にある一部のワ○キョクされた単語を、「金山」「~出身労働者」に直してあります。ほぼ間違いなく、記者かだれかが尹錫悦氏にこう聞くでしょう。『教科書問題についてどう思いますか?』。そのとき、尹当選人が言うことはほぼ決まっています。すると、またそれが『変数』になるでしょう。そう、大統領よりも『上位』のルールとしてこのような懸案が存在しているかぎり、誰が大統領になっても根本的に変わることはありえません。尹当選人、大変ですね。いろいろと・・
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