文在寅政府と尹錫悦当選人側が仲良く日米との共同軍事訓練を拒否しましたが、それでも韓国各メディアからは関連記事が続いています。そんなことをしたら、また日本が朝鮮半島に入ってきてしまう、という論調が目立っています。日本海（原文では東海になっていて、この場合は韓国近海を意味することになります）を『開けて』やることになってしまう、というのです。
この話は、本ブログでも何度も紹介した、『例え有事の際でも、日本は朝鮮半島に入ってはならない』とする韓国の既存スタンスを反映したものです。韓国の対日観は、『日本は大陸進出を夢見ていて、そのために朝鮮半島を所有しようとしている』に固定されています。
与党の大統領候補李在明氏が『日本は、武力衝突を誘発させるために領有権を主張している。竹島で衝突をお越し、それを名分にする気だ（いわゆるトリップワイヤー論）』を主張しても、これといった反論はありませんでした。最近日本で行われている、相手側の基地を攻撃できる能力、NATO式核共有などの議論に、韓国が必要以上に反応する理由でもあります。
で、今回の共同軍事訓練の件でも、もし共同軍事訓練してみろ、世論が黙ってはいないだろう、いいのか？いいのか？な感じの記事が結構出ていて、ソース記事の大手全国紙韓国日報もその一つです。やめておけ、日本に道を開いてやることになる、でも米国からの圧力は強くなるだろうし、心配だ、そんな内容です。以下、該当記事から引用してみます。＜＜～＞＞が引用部分となります。
＜＜・・（※この件で政府も当選人側も違うというのに反応が強く出ているのは）軍事協力の範囲がどこまで広がるかにもよるが、国内世論と北東アジア情勢に及ぼす波及力が半端ないからだ。これまで三国軍事協力は防御的・人道的水準にとどまったが、いま米国が考えている協力は、はるかに攻勢的なものだ。安保専門家たちは、米国が「多領域作戦（サイバー、宇宙などを合わせた軍事作戦）」、「域外攻撃訓練」などに韓国と日本を参加せたがっていると説明する。
しかし、韓国がこのような訓練で日本と一緒に参加することは、まったく異なる次元の問題だ。日本との関係に反応しやすい国内世論が黙っていないだろうし、中国・ロシアも刺激して北東アジアの新・冷戦構図を一層焚きつけるだろうからだ。さらに、一角では、朝鮮半島近くの水域での三国軍事訓練まで取り上げているが、この場合、日本の自衛隊の東海（※日本海、韓国近海）進入の道を開いてやるものであり、世論の集中攻撃を食らう可能性が高い。ある国策研究機関関係者は、「既存のミサイル警報訓練で情報共有を強化することだけでも、世論は反対するだろう」とし「韓国が何か得るものがあるのか、それも分からない」と診断した・・
・・問題は、次期政府がこれを拒む意志を持っているとしても、それとは無関係に、米国の要求はさらに強くなるだろうという点だ。最近、北朝鮮リスクまで大きくなったため、政府としては拒否できる名分も弱くなっていくだろう。米ハワイで開かれた韓米日合同参謀本部議長会議で3国は「多様な協力および訓練をめぐって幅広い意見を交換した」というマニュアルな言及だけしたが、軍事協力レベルを高めようとする日米の要求は、加速化すると見られる＞＞
別に応じるか拒むかではなく、この記事を読んで真っ先に思ったことは、『仮にも、日米と同じ陣営にある国が心配することなのか、これは』でした。この感覚、新政府になっても変わりそうにありません。北朝鮮問題に対しては（文政府の政策を否定する意味でも）多少は日米と足並みを揃えるかもしれませんが、それは、『日米韓』の足並みとはまた違うものでありましょう。
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