文在寅政府が、THAAD正式配置のために必要な手続き、環境評価を、いまだ始めていません。よっていまだ正式配置ではなく、臨時配置状態であることも報じられました。4月5日にお伝えした過去エントリー、「3NOにはもう1つ未発表条項があった」という疑惑、いわゆる「3不1限」関連の続報となります。
簡単に言うと、中国が相応の対応、ずなわち配置済みの既存のTHAAD運用の制限を要求したことで、文在寅政府は6年間も環境影響評価を延期している、との内容です。本件を集中的に報じている文化日報の記事によると、普通なら、環境評価は長くても2年ぐらい終わるそうです。記事は、これはわざと評価手続きを始めないことで、運用を制限するためのものでしかない、と指摘しています。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。
<<・・5日、国会外交統一委員会ジョ・テヤン「国民の力」議員室によると、国防部は2017年7月、ソンジュにあるサード(THAAD)基地について一般環境影響評価をすることを公式に決定した。それから6年目になるが、まだ評価協議会の構成すらできていない状態だ。国防部は、文政府の発足後、大統領府の指示で般環境評価を行うことにしていた。しかし、現在、環境影響評価の初期段階である事業計画書の受付及び評価準備書の作成以外に、実質的な手続きは何も始まっていない。
一般環境影響評価期間が通常10~15カ月程度かかる点を考慮すれば、これはあまりにも遅いとされている。議員室が国防部から受け取った資料を見ると、文政府が発足した後、国防部で進行した(他の)評価は、長くても2年ぐらいだった。国防部は議員室に「必須的に参加しなければならない住民・市民団体側が参加せず、評価協議会の構成ができずにいる」とし、「地域住民及び自治体と疎通しながら評価協議会の構成など後続手続きを進める計画」と明らかにした。しかし、6年目になっても進捗がないのは、事実上、意志がなかっただけではないのか、という指摘が出ている・・>>
2021年3月、訪韓したロイド・ オースティン 米国防長官は米韓外交・国防長官(2 + 2)会談で、「THAAD基地を今のような状態に放置するつもりか」と問題を提起し、「必ず直さなければならない問題だ」と、基地及びそこで暮らす兵士たちの処遇の改善を要請しました。朝鮮日報の記事(2020年10月23日のものです)によると、ソンジュにあるTHAAD基地は、まともに機能していません。基地というか、もはや人の基本的な権利の問題だとも言われています。
<<・・米軍は、デモ隊によって隔離されたソンジュ基地の改築を継続的に要求してきた。しかし、陸路が集会参加者たちによって遮断され、工事は進まず、昨年は臨時コンテナ施設をヘリコプターなどで空輸した。軍関係者は「既存のゴルフ場クラブハウスを正式工事なしで使用しているため、施設があまりにも劣悪だ」、「米側は、このような点について継続的に問題を提起してきた」という。
このような米国側の不満は、去る14日開かれた韓米安保協議会(SCM)共同声明にも「ソンジュ基地THの安定した駐留条件を用意するために、長期的な計画を構築することにした」という内容として反映された。問題は、今回のソンジュ基地への装備搬入過程で浮上した葛藤が、韓米関係をさらに難しくする可能性があることだ。米側は、ソンジュ基地のことを、兵士たちの人権問題として取り上げているという・・>>
本当に「住民たちを参加させるため」環境評価をせずにいる可能性も・・ゼロではないでしょう。多分。でも、なんというか、常識というかなんというか、そんな観点からして、これは他でもない『3不1限』そのものです。いったん運用に入ると、運用する主体は在韓米軍になりますので、韓国政府とて、そう簡単に運用を制限することはできません。だから、正式配置ではない臨時のままにすることが、文政府として出来る「制限」方法ではなかったのか・・そういったところではないでしょうか。 ※今日、これが2回目の更新になります。次の更新は、いまから出かけて、帰ってきてからになります。頑張ります。
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