北朝鮮が急に態度を変えたのは、一言で「時間稼ぎ」です。ただ、時間稼ぎにも上手いのと下手なのがあります。
相手に待ってくれとお願いして時間を稼ぐのは、下手な時間稼ぎです。相手が待つしかない状況を作っての時間稼ぎは、上手い時間稼ぎです。
昨日のエントリーでも扱いましたが、北朝鮮は米国が応じるしかない時間稼ぎを仕掛けることができました。
ただ、昨日のビジネス・インサイダーの記事には、その時間稼ぎは、連邦制統一大好きの文在寅氏率いる韓国の『活躍(思わしくない意味での)』あってこそのものだった点があまり指摘されていません。これは、まさに韓国の、北朝鮮への『忠信(あえてこう書きます)』の結果です。
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北朝鮮とてバカじゃないでしょうし、すぐにでも「核兵器を完成させるための時間稼ぎだよーバーカバーカ」とバレるようなマネはしないでしょう。
対話が途切れることもなく、だからといって解決に向かうこともないようにしながら、目立つ挑発もしない、そこそこの「長期戦」を仕掛けてくるのではないでしょうか。
ただ、主体思想(金日成)が先軍政治(金正日)として具体化された(ことになっている)のと同じく、先軍政治が具現化したのが核兵器(金正恩)です。北朝鮮にとって核兵器は聖物みたいなものであり、彼らが核兵器を諦めることは無いでしょう。諦める「ふり」ならするかもしれませんが。
こうして考えると、米国と北朝鮮の会談(もし何かの合意に至るなら、その合意も含めて)は、日本と韓国の慰安婦合意に似ていると言えます。
韓国が慰安婦合意を毛嫌いしている理由は、朴槿恵大統領が「終えてはならない問題を終わらせた」からです。韓国が望んでいることは、慰安婦問題の解決ではありません。まるでシーソーに座っている二人みたいに、悪たる日本が下がることで善たる韓国が上がる、日本の名誉を踏み潰し、韓国がその分の名誉を得ること。そのための数々の反日「商品」であり、その中でも最大のヒット策こそが慰安婦問題です。そんな「良いもの」を終わらせた慰安婦合意は、最初からあってはならないものだったのです。韓国にとっては。
北朝鮮の核兵器も同じです。北朝鮮を政府(国家)とも認めていない世界最強国のトランプ大統領が、首脳会談にあっさり応じました。これは本当に素晴らしい道具です。北朝鮮からすると、その核問題をランクアップする(核兵器を完成させる)ための米朝会談であり、決してその核問題を解決するための会談ではありません。そうであってはいけないのです。北朝鮮としては。
もし何かの合意があっても、いずれ北朝鮮は「米国のせいだ」としながら不履行宣言することでしょう。韓国が「日本のせいだ」としながら不履行宣言をするのと同じく。
余談ですが、せめて、今日の関税引き上げ発表で、日本を除外するなどの「印象づけ」があったなら、4月の日米首脳会談がもっと引き立てられるはずですが・・・そこが残念です。
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