韓国メディアの、うつ病(40代)関連記事・・「急増の原因は、私たちがあまりにもやさしいから」

2月、社会的持論に関する内容を書いたことがあります。私が個人的に使っているだけの用語ですが、一般的に「~は~なもの」とする社会一般の概念、通念のことです。メジャーなものからマイナーなものまであるし、すべてが的確だとも言えないし、うまく表現できないでいたけど、言われてみればそうだなと気づくものもあります。たとえば、2月に書いた話は、あるひな人形点のパンフレットに「雅」関連で「日本人は些細なものから神々しさを見出そうとする」と書いてあるのを見ましたが、「良い文章だな。確かにそれはそうだ」と思ったりしました。新刊でも、結構ページを割り当てて書いています。

このような社会的持論、別に通念でも概念でも一般論でも呼び方はどうでもいいですが、韓国ではそれらが、実際に体験する内容とズレています。たとえば中央日報(2月14日)に、『私たちは、相手があやまればすぐにもすべてを許す(すべてを忘れる)』という記事がありました。たしかに、こういうのが定説になっています。擦れば鉄も溶ける、などのことわざもあります(昔の民間信仰や仏教の寺などで、祈りを捧げるなど何かを強く願いながら両手のひらを擦る動作があり、そこから来たものだと言われています)。『人による』というのが正解でしょうけど、どうも私の経験からして、「はいそうです」とは言えない主張です。

 

で、今朝、こんな記事がありました。40代に「うつ病」が増えているという話ですが、その理由が、『私たちがあまりにもやさしいだから』『すべてを自分自身の問題だと考えるから』だというのです。「あまりにもやさしいから、うつになってしまう」という題の記事で、今回も中央日報です。いまの40代は、「我慢しなさい」「自分になにか問題があったのだろう」と言われながら育ったので、すべてを自分の中に抑え込もうとするから、それが原因になってしまう、と。もちろん、そんな人もいるでしょう。すべてをひとくくりにして話すつもりはありません。でも、先の「ゆるす」関連でもそうですが、どうも私が知っている・・というか、つい3日前に体験したこととはあまりにもかけ離れた話です。まず、<<~>>で引用してみます。シリーズ記事で、記者と専門家のQ&A形式の記事です。

 

<<・・あまりにもやさしいと、うつになります(※見出し)・・多くの40代は、「うつ」状態であることを認めようとしません。落ち込んで相談センターや病院に来たのに、「うつではないと思いますが、とてもくるしいので一度来てみました」と言います。 なぜくるしいのか尋ねれば、「私がもともと敏感でして」と答えたりします。 Q:「私になにか間違えたせい」と思っているわけですね。 A:そうです。 それで、私たちのうつ病は「メランコリア」型が多いです。自分の中の感情が解消できなくなって、くるものです・・・・ 特に今の40代は幼かった時から「あなたが我慢しなさい」「もっと努力しなさい」「あなたがなにか間違えたでしょうに」、こういう言葉を聞いて育ちました。だから感情表現がうまくできません(中央日報)・・>>

日本でも韓国でも、徒歩でもバスでもタクシーでもいいのである程度人の多いところを通り過ぎていると、『言語・文字情報』が頭に入ってきます。まず耳に入ってくる情報だと、韓国では、考えていることを『声に出す』人が圧倒的に多いのが特徴です。なにか気に入らないことがあった場合、たとえばタクシーがちゃんと止まってくれなかったとか、誰かとぶつかったとか、そんなことがあると、すぐそれを声に出します。誰に言っているのかはよくわかりません。「当事者」がいない状態で言う場合が多く、まるで周りの人たちに「うわあぁ」と言っているようです。日本だと、ほとんどの場合、些細なことは口にしません。

 

また、「ありがとう」や「すみません」などの言葉がほとんど聞こえません。言っても、なにも返ってきません。今回、短い日程でしたが、バスでタクシーで街で結構な数の「ありがとうございます」を言いました(もともと韓国では「すみません」はあまり言わないので)が、それが何かの形で返ってきたのは2回だけでした。銀行の警備員さんから1回、姉と知り合い(姉がよく乗るので親しくなっている)の市内バス運転者さんから1回。別に返ってこなくても構いませんが、日本での日常と比べると、あまりにも異なります。また、街のいたるところにある「横断幕」から入ってくる文字情報は、いうまでもなく、「子供には見せないほうがいいのでは」なものばかり。

繰り返しになりますが、人によるものでしょう。優しさのあまり、すべてを抱え込んでいる人はどこにもいるかもしれません。しかし、この話もまた、『実際とのズレ』としか受け止められません。それよりは家計債務のことと関連付けたほうがいいのではないのか、などなど。これは、『私がなにか間違えている』からでしょうか。

 

 

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