韓国政府、WGBI組み入れのため日本に積極的なアピール・・「日韓関係改善で、強力な日本の投資家を仲間にできる」

先月、韓国政府は国債において多くの制度を変えました。詳しくは省略しますが、簡単に言うとアクセシビリティー(海外投資家たちの投資しやすさ)関連です。たとえばファイナンシャルニュース(6月26日)この件で、「政府と韓銀は、ICSD(国際預託決済機構)によるオーバードラフトも許可した」としながら、これらはすべてWGBI(世界国債インデックス)組み入れのためだと報じています。いままでは主にアクセシビリティー関連で見送りとされ、9月にまた判断を受けることになっています。ちょっとこの部分だけちょっと<<~>>で引用してみます。

<<・・3月、国内銀行によるウォン借入を許可したのに続く追加緩和だ。オーバードラフトは簡単に言って外国人投資家に「ウォン」の「マイナス通帳(通帳と言っても一種のキャッシングサービスで、その限度額内で現金を自由に引き出せます)」の開設を可能にしたという意味だ。外国人投資家(非居住者)にウォンを貸すことは、金融市場の開放が高く、輸出比重が高い韓国のような場合には、関連した危機の際にその影響を増幅させる可能性がある。債券市場は外国為替市場とつながっており、マイナス限度まで国債などを買っても、急に売ると、資本流出、為替レートの急な変化を伴う金融市場の混乱状況が生じることがある(ファイナンシャルニュース)・・>>

 

他に、関連した非課税化など、数々の措置を取ったそうですが・・複数のメディアの記事に共通しているのは、「WGBI組み入れのため」という点です。WGBIには日本、米国、イギリスなど24カ国が入っており、2兆5000億ドルを超える資金が動いています(ファイナンシャルニュースより)。リスクのある措置でも、海外投資家のためのアクセシビリティー向上(いままで韓国国債がWGBIに組み入れできなかったのは、主にこの部門によると指摘されてきました)に踏み込んだのは、国債において外国からの資金の流入が期待できるからです。そして、また韓国経済(引用するのは4月29日の記事です)など複数のメディアが、共通して「日本の協力が必要だ」「関係改善したから日本の強力な投資家たちを仲間にできる」と書いています。

 

<<・・金融関係者たちによると、企画財政部は来月から英国、香港、シンガポール、日本などで相次いで投資説明会(IR)を開く計画だ。企画財政部関係者は「WGBI編入決定を控えて海外投資家を対象に各種外国為替市場の先進化対策を積極的に知らせる予定」と話した。英国FTSE(Financial Times Stock Exchange)ラッセルが運営するインデックスであるWGBIは、ブルームバーグ・バークレースグローバル総合指数、JPモーガン新興国国債指数とともに世界3大債権指数で通じる。米国・英国・日本・中国など25カ国の国債が編入されている。動いている資金は2兆~2兆5000億ドルと推算される。FTSEはWGBIに編入される国債を毎年3月末と9月末の2回公表する。

韓国は2022年9月に編入前段階の「観察対象国」リストに上がった後、指数編入の試みが3回相次いで不発だった。国債発行残高と国家信用等級条件は一致したが、市場のアクセスさを満たしていなかったためだ。ただし、FTSEラッセル側が市場アクセシビリティを満たすために必要だと提示した外国人投資家登録制度(IRC)の廃止、外国為替取引時間延長などを大部分導入したり、施行を控えているため、9月編入可能性が高いというのが企画財政部の説明だ。通常、観察対象国登載以後、WGBI編入までには2年ほどかかる。日韓関係改善で、WGBIで影響力が強い日本の投資家たちが「友軍」になることができるという観測も出ている(韓国経済)・・>>

 

引用部分にある「来月(5月)から~」とはどうやら別件のようですが、今月、日本でも投資説明会がありました。7月7日ニューシースなど複数のメディアが報じています。各記事の本文または題にはWGBIが出ており、特にニューシースは題で「當付(口頭で強く頼み込むこと)した」としています。 いろいろ制度は用意したみたいですし・・観察対象国になってからしばらく時間も経つし、結果はどうなるかわかりません。でも、いつも「(円安などで)衰退」とか「貧しい」とか「弱体化」とかそんな言葉で日本を描きながら、なにかあればすぐ日本に頼みに来るこのような姿勢、こはいかに。これがもっとも「見もの」ではないだろうか、そんなところです。

<<・・政府が、日本の投資家たちを対象に国債投資説明会を開催するなど、世界国債指数(WGBI)編入のための歩みに乗り出した。企画財政部はキムユンサン第二次官が韓国のWGBI編入のために4~5日に東京を訪問し、現地の主要年金CIO面談と資産運用会社・信託銀行対象投資家説明会を主宰したと7日明らかにした。次官は日本の投資家たちに韓国の堅調な景気回復勢、良好な財政健全性、高水準の国庫債流動性など韓国国債市場の長所を紹介した。最近、外国人投資家の国債市場のアクセシビリティ改善のために多くの制度改善が行われ、インフラも新たに構築したことを説明した(ニューシース)・・>>

 

 

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