少子高齢化が進む韓国、今月から65歳以上人口1000万人・・来年には超高齢化社会へ

少子高齢化が「ものすごいスピード」で進んでいる韓国ですが、少子化についてはさまっざまな記事が出ているものの、高齢化については、言及する記事は多いけどそこまで問題視されていないのが現状です。そんな韓国ですが、いよいよ今月から65歳以上人口が1000万人になります。人口の20%になると超高齢化社会とするから、来年の早い時期には超高齢化社会になるだろうと予想されています。文化日報(6月12日の記事)、韓国日報(6月24日)などがこのテーマについて取り上げていますが、主な内容は、高齢者の貧困問題です。以下、各紙、<<~>>で引用してみます(韓国日報の記事は直接引用はなく、画像部分を自分で訳しました)。

<<・・65歳以上の高齢者人口が、早ければ今月中に1000万人を突破する。来年初めには人口の20%が65歳になるなど急速に「超高齢化社会」に進入しており、国家レベルの対応策が急がれるという指摘が出ている。高齢者人口1000万人時代への進入は、社会に出生率低下による経済活動人口の減少、高齢者年齢の引き上げ及び定年の延長、高齢者の貧困問題、年金改革など複雑な話題を、いくつも同時に投げかけているのだ。12日、行政安全部によると、5月基準で全国65歳以上の人口は995万4395人を記録した。1~5月65歳以上の人口は毎月4万400~5万4300人増加した・・

 

・・この傾向であれば、6月末、遅くとも7月初めには、住民登録統計で65歳以上の人口が1000万人を超えるとみられる。5月65歳以上の人口比率は総人口(5127万7347人)の19.41%で、5人のうち1人が高齢者である超高齢化社会進入まで0.59%(約35万人)しか残っていなかった。社会が急速に超高齢社会に移行し、定年延長、年金改革などの課題の解決もより緊急になったという懸念が出ている。韓国雇用情報院は「中・長期人力の需給見通し(2022~2032)」で、経済活動人口が2022年から2032年までに31.6万人増加するが、その期間の前の10年間の増加幅に比べると、10分の1レベルに減少すると予想した(文化日報)・・>>

 

OECDによると、66歳以上貧困率(OECDは「66歳」以上で集計します)が40%を超えているのは韓国(40.4%)だけでした。アメリカが22.8%、日本が20.2%、などなどです。76歳以上を範囲にすると、50%を超えている、とも。韓国日報など複数のメディアが65歳以上人口に関する記事で主に取り上げているのも、こちらです。この前も、無料給食所(慈善事業を行う団体が用意した、無料で食事ができる施設)に長い行列ができるとか、相次いで閉鎖されているというニュースを取り上げましたが、韓国日報には教会関連の話が載っています。慈善事業として高齢者に5000ウォンを(先着順で)配る教会などには、電車で1時間30分かかる距離から高齢者が集まって、これまた「オープンラン(オープンダッシュ)」状態になるとのことでして。

記事は、2021年統計庁資料から実際に受け取っている年金額をグラフ化しています。国民年金、公務員年金など公的年金だけでなく、個人年金まですべて含めたもので、各メディアによく引用されます。なぜか2021年統計だけがよく引用されますが(ソース記事は今年6月のものです)・・まで統計が出てないのか、なにか別の理由があるのかはよくわかりません。

 

で、受給額でみると、全受給者の21.1%が月25万ウォン未満、43.3%が25万ウォン以上~50万ウォン未満、24.7%が50万ウォン以上~100万ウォン未満、6.1%が100万ウォン以上~150万ウォン未満、4.9%が200万ウォン以上です。3月24日朝鮮日報によると、国民年金公団が発表した(2022年基準)70代の国民年金平均受給額は約41万ウォンでした。同じ記事で「そもそも単純比較は難しいけど、2022年基準日本70代の年金(厚生年金+国民年金)平均受給額は月14万3973円だった、とも。

ちなみに、為替レートですが・・最近は円安で為替レート計算も25万ウォンが約2万9000円になっていますが、それまでは長い間「大まかにウォンが円の10分の1(25万ウォンは2万5000円)」あたりでした。私が高校生だった頃は(韓国からすると)いまよりずっと円安ウォン高で、円がウォンの5~6倍とされていましたが。当時日本から個人輸入されたゲームなどを買っていた人たちには、結構重要な情報でした。

 

 

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