韓国、60歳以上の創業率が日本の2.6倍に・・日本『職務関連ノウハウを活かしたい』、韓国『もっと大きな収入』『他に選択がない』

26日「チキンクエスト~勇者と2つの選択~」エントリーで似たようなテーマを取り上げたばかりで恐縮ですが、「60歳以上創業」関連で日韓両方のデータ分析記事があったので、取り上げてみます。日本と何かを比べることが『当然』になっている韓国メディアですが、この件ばかりは高齢化社会への進入において日本のほうが早かったので、見方にもよりますが、「あり」じゃないだろうか、そんな気もします。社会システムが異なるから、『あくまで単純比較』という前提は必要でしょうけど。

本ブログでも何度も紹介しましたが、韓国では、「45~50歳に引退することになり、年金も少ない」ので、とりあえず何かの創業をする人が多すぎます。最近ヘラルド経済がこのテーマをよく記事にしていますが(26日に取り上げたチキン屋記事も同紙もものです)、日本政策金融公庫と韓国中小ベンチャー企業部、両方の記事をもとにして、両国の60歳以上の創業率を出しました。全体創業において、60歳以上の人が創業した比率のことです。その結果、韓国よりずっと先に超高齢化社会に進入し、高齢層人口もずっと多い日本ですが、それでも6.1%でした。しかし、韓国では16.3%。あくまで両国内の創業率関連データを単純比較しただけではありますが、2.6倍を超えています。

 

さらに、ほとんどの60歳以上創業は「宿泊業・飲食業」に集中していますが、それら業種は5年内に廃業する確率が77%になる、とのことでして(このデータは全年齢代のもの)。また、日本の場合は60歳以上の創業が「ノウハウを活かすことができるから」というのが多く、韓国の場合は「もっと大きな収入」「他に選択がない」とするものが多い特徴も明らかになった、とも。すでに韓国は7月時点で超高齢化社会に進入したとされており、3月時点(※発表は6月13日統計庁)全就業者(2840万人)のうち60歳以上が637万人で22.4%でした。同月、日本の60歳以上の就業者割合は22.1%(6726万人のうち1488万人)でした。比率でみると、すでに60歳以上の就業者比率で韓国のほうが高くなっています。この状態で、「(創業のための債務をかかえたまま)60代に廃業する人が増える」ことになるわけですから・・経済メディアが取り上げるのもわかります。というか、他のメディアも、もっと大きく取り上げていい気もしますが。以下、ヘラルド経済から<<~>>で引用してみます。

 

<<・・韓国の高齢層創業比率が「超高齢社会」に先に進入した日本よりも高い水準であることが分かった。ベビーブーマーが本格的に引退年齢に入った中、老後の生計費準備のために自営業に進出する事例が増えている。専門家たちは、彼らの準備のない自営業進出が事業失敗につながり、老後の経済力を大幅に下げる可能性があると指摘する。日が経つにつれて深刻になる「高齢者貧困」の原因になる可能性があるという懸念も出ている。28日、ヘラルド経済が日本政策金融公庫が発表した「2023年日本新規創業実態調査」と中小ベンチャー企業部の「2023創業企業実態調査」を比較・分析した結果、全創業者(創業1年以内)のうち60代以上の創業者の比率は全体で16.3%だった。日本(6.1%)と比較して10.2%ポイント高いと集計された。日本より高齢創業の比重が2.67倍ほど高く現れたわけだ・・

 

・・また、韓国の50代以上の創業者比重も全体で48.9%で、日本(26.3%)と比較して22.6%ポイント高いと集計された。50代に限定した創業比重も、韓国(32.6%)が日本(20.2%)と比較して12.4%ポイント高かった。一方、韓国の30代と40代の創業比重は19.3%、26.7%で、日本よりそれぞれ10.8ポイント、11.1ポイント低かった。実際、韓国の高齢創業の割合は徐々に増えている。統計庁国家統計ポータルと中小ベンチャー企業部によると、今年1~3月期、不動産業を除く60歳以上の創業企業は3万8000社で、最高記録だった。一部では高齢化率の増加に伴う自然な現象だと説明するが、これは「半分だけあたっている」。韓国の高齢化率は昨年基準で約19%だが、日本は30%近い・・

・・韓国だけ高齢層創業比重が高い理由は、既存の職場で引退した後、自営業市場に飛び込む場合が多いからだ。創業企業実態調査によると、2021年基準で60代以上の創業者(1~7年目)のうち、直前の経歴が「就職状態」だった場合は63.6%に達する。10人のうち6人以上が、以前に職場を通って、創業に飛び込んだという話だ。韓国経済人協会が発表した「高齢者老後実態および就職状況分析」によると、2021年基準で60歳以上の自営業者のうち「3ヶ月未満の準備期間」の割合は64.5%に達すると集計された・・

 

・・さらに、以前の職務に関連する創業をする場合も少ない。日本政策金融公庫によると、2021年基準で日本創業者の43.9%は、事業選択基準を問う質問に「職務経験や機能が活かせるため」を選び、全体の回答のうち1位だった。しかし韓国の創業者の場合、創業動機1位は「より大きな経済的収入」であると集計された。「他の選択がないから」も16.2%に達した・・・・事情がこうだから、実際は閉業する場合が多い。国会産業通商資源中小ベンチャー企業委員会所属ヤンクムヒ国民の力議員が中小ベンチャー企業部から受けた資料によると、国内創業企業の5年後廃業率は66.2%であった。特にしきい値が低いため高齢者の創業率が高い宿泊・飲食店業の廃業率は77.2%に達する。 10人のうち8人が5年以内に廃業するという話だ(ヘラルド経済)・・>>

 

 

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