韓国メディア「バッテリーも、日本の技術と中国の競争力に『はさまれている』」

まず、本題に入る前に・・南海トラフ地震関連で「注意(臨時情報)」が出ました。南海トラフ地震関連で気象庁は監視している地域内でM6・8以上の地震があった場合、専門家の検討会を開き、「調査中です」と30分内に国民に知らせることになっています。それが「臨時情報(調査中)」で、もうすぐ調査結果も発表されるでしょう。韓国側のネット、メディアともにこの件で大いに盛り上がり(?)ましたが、昨日の夜あたりから急に大人しくなっています。一部のメディアは「気象庁が『巨大地震が来そうだと言った』」とするなど、明らかにおかしな題で報じたりしていました。

で、ここから本題、バッテリー関連です。本ブログでは取り上げませんでしたが、韓国のとあるマンション団地の地下駐車場で、ベンツ(かなりの高級モデルだそうです)電気自動車から火事が発生、140台の車がまきこまれる事件がありました。それから複数のマンション団地で「電気自動車は地下駐車場を使用しないように」というルールが急造されるなど、大きな騒ぎが起きています。韓国政府も『安全性が確認されたバッテリーを搭載した電気自動車だけ補助金を出す』としていますが、どうやって確認するのか、メーカーがどこなのか分かるようにすればいい、などの話も出ています。

 

関連した話としては「韓国メーカーのバッテリーを使えばいいではないか」というのが圧倒的に多いですが、実は韓国メーカーのバッテリーからも結構な数で火事が発生しています。韓国メーカーのバッテリーから火事がおきたことも、ちゃんと記事にはなっているのに、安全性検証より『どこのメーカーのものなのか表示する』ことが話題になっていたりします。不思議なものですね。7月31日にも紹介しましたが、韓国の大手バッテリーメーカー3社の営業利益(上半期)は、去年比で10分の1になっています。去年もパッとしない実績だったと聞いていますが、さらにその10分の1になったわけでして。

特に、SKグループの「SKオン」の場合、大幅な赤字が出ており、毎経エコノミー(7月25日)など一部のメディアは「SKグループ全体の流動性問題に発展する可能性がある」とまで報じています。そんな中、文化日報(8日)に、もう少し現実的な記事がありました。「技術の日本」と「競争力の中国」の間でナッツクラッカー状態だ(はさまれている)という内容です。半導体関連でもまったく同じ話が出ている今日この頃。半導体ほどではないにせよ、バッテリーも『超技術力(技術超格差)があるから大丈夫』という主張が結構出ていた分野です。そういうものよりは現実的に見えます。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・バッテリー産業の量的・質的成長を重ねている中国と、政府の全幅的支援を受けているバッテリー元祖技術国日本の急速な追い上げの中にいる。技術と価格競争力ともに中国・日本に優位を占めるのが難しい「新ナッツクラッカー」状況になっているだけに、今後1、2年以内にこれを取り消す画期的な手を出さない限り、もはや生存について考えるべきピンチに立たされる状況もありえると懸念される・・・・業界関係者は「中国企業は電気自動車補助金の支給・税減など政府政策に支えられ、果敢な研究・開発(R&D)投資を断行し、リチウムリン酸鉄(LFP)の性能とニッケル・コバルト・マンガン(NCM)技術の向上にも速度を出している」と説明した。

業界では、中国が2009年から2022年まで自国バッテリー企業に支援した支援金だけで約290億ドル(約40兆ウォン)に達すると推定している。各社実績報告書によると、昨年世界バッテリーメーカー1位中国CATLのR&D投資規模は約183億5610元(約3兆4910億ウォン)で、K-バッテリー3社のLGエネルギーソリューション・サムスンSDI・SKオンの全体投資合計額(2兆4744億ウォン)を超えた。 2022年以降、CATLだけの売上高と営業利益で国内バッテリー3社を追い越した・・

 

・・日本は2022年から政府の生産設備投資支援を土台に次世代「全固体」バッテリー競争力確保に注力し、元祖バッテリー強国としての再飛躍を試みている。日本政府は2030年までに自国企業のグローバルシェア20%台回復を目標に総54兆5000億ウォンの官・民投資を進めている。業界関係者は「資本的支出(CAPEX・設備投資)投資名目の政府補助金でホンダは1兆5000億ウォン、トヨタは1兆1000億ウォンを確保した」と話した。業界関係者は「K-バッテリー3社が北米地域に計553.5GWhに達する大規模設備投資を推進し、今年1年に合計25兆ウォンのCAPEX投資執行計画を立てている」とし「十分な資金確保が行われない場合、今後中国と日本に押されて産業成長が停滞する可能性がある」と懸念した(文化日報)・・>>

「すべて」ではないにせよ、「必要」なのは間違いない、補助金などの支援。今回はバッテリーですが、いつもは半導体で、各メディアはこの話をよく取り上げます。日本の熊本県にTSMC第1工場が出来てからは、特に。ただ、大企業などへの投資・支援に(野党側に比べると)柔軟な対応をしている「右」側の政権であるにもかかわらず、ユン政権はそこまで大きな支援をせず、関連した法の制定・改正などにもあまり積極的ではありません。やはり、財政関連の問題でしょうか。

 

 

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