韓国、政権交代か、それとも与党の逆転勝利か・・次期大統領候補とされる二人の今

4月の総選挙のとき、公表される支持率は、選挙結果に繁栄されませんでした。もちろん調査機関にもよりますが、あくまで一般論として、与党と野党の支持率差がそこまで広がっていたわけではないのに、結果は野党の圧勝でした。詳しく何があるのかは分かりませんが・・とにかくそんな状況である、ということで、本題に入りたいと思います。その支持率関連で、最近、二人の政治家が注目されています。1人は、与党「国民の力」代表、韓東勲(ハンドンフン)氏。そして、最大野党「ともに民主党」の李在明前代表です。ちょうど代表選挙中だから「前代表」ですが、また代表になるのはほほ確定です。

で、今日はこの二人が、どういう戦略で『次の政権』を得ようとしているのか、ちょっとだけ綴ってみたいと思います。まず、次期大統領支持率調査(あくまで予想しての調査です)において、李在明前代表がずっと1位を守っています。8月1日デイリアンの記事によると、李前代表が37.9%、韓代表が20.5%です。一時、与党の韓代表がほぼ追いついていましたが、総選挙結果、そして韓代表ががいくつかの政治案件においてユン大統領と明らかに異なる意見を出したことなどで、再び李在明前代表との支持率差は広がりました。最近は、二人の支持率がともに上昇中です。党代表選挙(与党も終わったばかりです)があったからでしょうか。

 

ここまで見ると、この前の総選挙結果から考えると韓代表がずいぶん健闘しているように見えます。しかし、与党内の支持は多少分かれているものの、共に民主党内の支持は、李前代表に集中しています。この点が、与党と野党でもっとも異なる部分だと言えるでしょう。韓代表は代表選挙で60%を超える支持を集めましたが、まだまだいくつかの政治案件(もとの趣旨はともかく、政治案件になってしまった案件において)ユン大統領とは異なる主張をしています。これについては、プレシアン(8月12日)の記事が詳しいですが、一言で「ユン大統領はもうオワユンだから、大統領と対立するイメージを出せば国民の支持が得られんじゃね?」です。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・大統領と対立するイメージを確立しようとしている。大統領の権限に挑戦する与党代表としてのイメージを得ようとしているのだ。大統領の支持率より党支持率が高くなって、もう久しい。保守政党が政権再創出に成功した唯一の事例は、李明博政権から朴槿恵政権への事例だ。当時朴槿恵氏は現職大統領だった李明博の世宗市(※首都機能部分移転関連)修正案に公開反対し、次期大統領候補として存在感を確立し、以後、党代表職を受け取り、「党優位」関係を続けた。ユン大統領派の牽制にもかかわらず、大衆の支持率を得ようとする韓代表は当時の朴槿恵氏と似ている(プレシアン)・・>>

 

逆に「共に民主党」李前代表の戦略は、「無双」です。党代表選挙はまだ進行中ですが(地域ごとに行います)、現在、なんと得票率は89%超え。あの文在寅前大統領すらも、党代表選挙での得票率は40%台でした。というか、投票だの選挙だのというもので、89%ってなかなか出る数値ではないでしょう。野党内でも『李在明売り』を批判する声が出ています(8月12日京郷新聞)。「ぼくは李在明さんと親しい」ということで、党内の権力を好きにしている人たちが多すぎるというのです。でも、そのような主張が今回の選挙で反映されたとはとても思えません。一時大きな注目を集めた革新党の曺国(チョグク)氏は、いまのところ(先の次期大統領支持率調査で)6.9%。ソウル市長のオ・セフン氏が5%なので、思われていたほどの影響力が発揮できないでいます。

李前代表にはいわゆる「司法リスク(裁判中)」があるし、いざ大統領選挙になれば、野党側は候補を1人にする(候補単一化)必要があるでしょう。そのときに曺国氏とどんな決定をするのか、などの問題はあります。でも、少なくとも現状では、政権交代の可能性がもっと高いのではないか、そんな気がします。ユン大統領の支持率も、30%以上は出ます。韓代表はユン大統領との対立を強調しすぎると、与党側の票は分散される可能性もあります。朴槿恵氏が『党代表』としての自分を強調して大統領になれたのは、あの朴正煕大統領の娘というカリスマもありましたが、実際に選挙に強かったからです。朴槿恵氏が当時与党のリーダーだった間、与党は選挙で連戦連勝でした。いまの韓代表にそんな強さがあるのか、といいますと・・ちょっとそうは思えません。この前の選挙からしてアレでしたし。

 

 

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