韓国メディア、「南海トラフ地震」を「日本旅行」と繋げる記事が大幅に増加

韓国メディアの共通した(決して『全ての』というわけではありませんが)報道姿勢として、「どうしても日本旅行に何かの文句を言わなければならない」というのがあります。最近だけでもなく、結構前から続いています。円安『だけ』を強調するのがもっとも多いパターンで(それも影響はあるでしょうけど、それだけでは観光客は増えません)、他にもいろいろあります。暑いとか(韓国も相当暑いですが)、何かの疾患が流行っているとか(いざ日本内ではそこまで話題になっていない)、パターンは様々です。個人的に、「根本的には、国内観光をもっと快適なものにするしかないのでは」と思っていますが、そんな話はあまり目立ちません。

で、最近南海トラフ地震「注意」が出たことで、各メディアが一斉に『日本旅行キャンセル相次ぐ』とテーマに記事を出しています。「相応の注意が必要だ」という趣旨ならわかりますが、先も書いた通り・・というが、日頃の行いという観点から、どうも「本当に観光客の心配をして書いたのかどうか」がすごくすごくあやしいところです。かなりの数の記事が出ていますが、ヘラルド経済は『私たちは逃げられないが、外国からはこないでください』という投稿を大々的に取り上げています。日本のSNSの個人書き込みです。逆にソウル新聞は、「(まるで『予測』のようになっているが)リスクが高くなったという予報で、科学技術が発展しているからそんなことも可能になる」とおちついた記事を載せています。以下、両方<<~>>で引用してみます。

 

<<・・8日、SNS「X」(ツイッター)では、ある日本人が南海トラフ地震の懸念と関連して、外国人観光客は日本旅行を自制するようにという趣旨を投稿した。この投稿は「国家の見解では1週間何も起こらなかったとしても、それで安全になったわけではない。また、巨大地震が連鎖的に起こる可能性もあると言っています」とし「私たち日本人は逃げる方法がないため国内にとどまりますが、日本外にいる方はわざわざここに来ないでください」という内容だ。ふと、一ヶ月前頃、「フランスには治安など各種問題が多いので外国人観光客は来てはいけない」としたパリ市民たちの映像を思い出した・・・・オリンピック期間パリ訪問自制の動きがキャンペーン化しながら、パリオリンピック特需が予想より振るわなかったりした。日本政府の異例の地震注意報の発令をきっかけに、何人かの日本人が自国に来ないように要請する文は、外国人観光客の安心を心配するものである(ヘラルド経済)・・>>

 

この段落は、SNSの原文は見ていないことを前提にします(原文ではなくヘラルド経済の記事の書き方に対するものです)。単に「私たちはここで備える」「なにかあっても一緒に頑張る」ならわかるけど、なにかニュアンスがちょっと妙です。気のせいかもしれませんが、「外国では豊かに暮らせる」という類の書き込みのニュアンスに似ているような・・気のせいでしょうか。『逃げる方法』(あえてヘラルド経済の直訳にするなら)を探すなら、本当に無いのでしょうか。しばらくの海外滞在なら、やろうとすればできるのでは。人の事情にもいろいろあるでしょうから、そうひとくくりにすることはできませんが・・できないのか、やらないのか。で、そこはともかく、ここからはソウル新聞の記事ですが、予測かなにかのようになっているが、ただの注意喚起で、科学技術がよくなったからこんなこともできるのですよ、という見解を紹介しています。元ソースは米国NBC放送だそうです。見解を述べたのはワシントン大学のヘラルド・トビン教授ですが、書いていて「あ、こっちもヘラルド」と思って運命を感じました(笑)。

 

<<・・しかし、このようなメッセージは、大地震予測ではない。リスクが増加したとの予報で、地震学者たちが「沈み込み帯」地震の影響を理解するためにどれほど発展したかを示すと米国NBC放送は10日(現地時間)報道した。科学者たちは地震を予測することはできないが、特に日本のように地震が頻繁で、良好な監視装置を備えた地域では、地震の危険が高まる時期を予測する能力を開発している・・

・・日本当局は住民たちに、備え、避難経路を検討し、潜在的問題に注意することを要請しているのだ。大地震の危険がいつもより高いが、だからといって大地震がすぐに発生するという意味ではない。昨年の研究によれば、日本政府の指針に基づき、1週間以内に規模7の地震が起きる確率は約数百万分の一である。地震が発生する可能性は依然として残っているが、最近の地震が何の影響も及ぼさない可能性が高いと、トビン教授(※南海トラフ地震について研究してきたワシントン大学ヘラルド・トビン教授)は指摘した。彼は「私たちは南海が別の地震を起こすまで、数十年を待たなければならないかもしれない」と話した(ソウル新聞)・・>>

 

 

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