ポーランドに輸出した韓国戦闘機FA-50、契約内容履行、整備などで複数の問題

多くのメディアが「ジャックポット」と報じている、韓国の防衛産業。その中でもポーランドへの戦闘機FA50(など)輸出はもっとも象徴的とされますが、その戦闘機関連で問題が相次いでいます。引き渡し済みの12機の11機が整備・部品などの問題でちゃんと飛行できなくなっているというニュースもありましたが、昨日は、米国製AAM(空対空ミサイル)関連のニュースがありました。JTBC(3日)です。契約上では、FA50に米国製ミサイルを付けてくれるという話だったのに、実際は、FA50にそのミサイルがついていませんでした。韓国側は「そんな契約はしていない」というスタンスですが、ポーランド側は国防次官(副大臣)が直接問題を提起しています。

また、保守系シンクタンクの安保専門家が、イラクに地対空ミサイル「天空2」を輸出したことについても、問題を提起しています。こちらは週刊東亜(3日)です。イラクが地対空ミサイルを購入する理由は、事実上「米国とその同盟国の機体」を対象にしたものなのに、なんの安全装置もなしにこれを輸出していいのか、という内容です。もともとイラクは、ロシア、そして中国から地対空ミサイルを購入しようとしていたものの、何かの理由で契約できず、あわてて韓国のミサイルを購入することにした、とのことでして。民間シンクタンクの「可能性の提起」ではありますが、確かに米国側からすると愉快な話ではないでしょう。以下、各紙から<<~>>で引用してみます。

 

<<・・政府が宣伝してきたポーランド武器輸出、その中でも国産戦闘機FA-50をめぐって、『ノイズ』が続いています。装備問題に続き、今回はポーランド側が「米国産ミサイルを装着してくれるとした約束を守って」と要求してきたのです。KAI(※韓国航空宇宙産業)側は「そんな約束をしたことはない」としていますが、先日訪韓したポーランド国防次官も問題提起をしたと知られました。韓国航空宇宙産業KAIは、2022年9月、ポーランド政府と軽攻撃機FA-50、48機の輸出契約を締結しました。このうち12機が昨年12月に優先的に引き渡されたのに続き、2028年までに36機が納品される予定です。ところがポーランド側が最近「米国製空対空ミサイル」装着をめぐって問題を提起して出たことが確認されました。「米国空対空ミサイルを装着してくれるとした約束を守って」と主張しているのです。ポーランド側は、契約書上の記述に基づいて問題を提起したと知られています。

特に、2日、ポーランド国防次官がキムヨンヒョン国防部長官に会った席でも、この問題に言及したと伝えられました。しかし、メーカーのKAI側はポーランドが無理な要求をしているという立場です。KAI関係者は「そもそも該当ミサイル装着を約束した事実自体がない」とし「契約書に『可能性検討』レベルの内容だけが含まれているだけに、義務条項ではない」と反論しました。FA-50の輸出に関連して、最近、最初に導いた12機のうち11機で整備問題が浮上したりもしました(※YTNなどは「部品受給、整備などの問題で飛行できない状態」と書いています)。ポーランドとはFA-50をはじめ、K9自走砲やK2戦車など40兆ウォン規模の武器輸出契約を結んだ状態です(JTBC)・・>>

 

<<・・韓国はイラクのスダニ政権がなぜ中距離防空武器を急いで導入しようとしたのか(※ロシア、中国から購入しようとしたけどうまくいかず、普通は数年かけて検討する武器購入を、わずか数ヶ月で韓国のものに決めた、とのことです)を綿密に検討しなければならない。米軍が駐留し始めて以来、イラクにはこのような防空兵器の所要がなかった。そんなイラクが、スダニ首相が執権した後、中距離防空武器の導入に乗り出したのだ。よく知られているように、イラクは現在「外部からの脅威」は事実上ない国だ・・・・イラクが中距離防空武器を必要とする理由は、周辺国のためではなく、自国領空を飛び回っている外国航空機対応のためだ。そしてその外国航空機とは、米国とイギリス、イスラエル軍用機をいう・・

・・イランとイラク内の親イラン民兵隊は、米国、イスラエル空軍に悩んでいる。イラク政府が天弓Ⅱを西側軍用機に対して使う可能性もないとは言えないのだ。韓国産ミサイルが同盟国米国軍用機に対して使われる事態が起きる可能性だってあるのだ。最大の問題は、このような状況を総合的に判断せず、イラク側の要求をすべて受け入れようとする韓国政府の交渉態度だ・・・・イラクと天弓-Ⅱ輸出契約は「輸出快挙」「ジャックポット」のような表現で包むことではない。この契約が韓国の国益と安保にどんな影響をもたらすか冷徹に考えなければならない・・・・それでも天弓-Ⅱを必ずイラクに売らなければならないならば、韓国政府はイラク輸出用ミサイルに外すことができない安全装置を付けるべきであろう。火器管制システムに識別装置を補強し、米国軍用機や民航機に対して使うことができないように措置しなければならない。これは天弓-Ⅱイラク輸出のための最小限の措置である(週刊東亜)・・>>

 

 

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