中国、韓国を「ビザ無し」国リストへ・・一部メディア「日本は入ってない」「今度こそ習近平の訪韓か」

普通、ビザ免除などは相互に行うことになっていますが、中国は一部の国を(相互でもないのに)ビザ無しにしています。開放されているとアピールしたいとか、いろいろあるのでしょう。で、一昨日、急にそのリストに韓国が追加されました。条件は各国共通のようでビザ無しは来年の12月31日まで、ビジネス・観光などで15日間まで可能です。事前に何の話もなかったので、韓国外交部(外務省)も寝耳に水だった、とのことでして。朝鮮日報など一部のメディアは「日本はその対象に入っていない」と(日本語版は題がそうなっています)報じていますし、またマネートゥデイなど一部のメディアは「今度こそ(来年11月韓国で開かれるAPEC首脳会議)習近平主席が訪韓するのではないか」という記事を載せました。

マネートゥデイは、北朝鮮とロシアの関係を牽制するための措置ではないのか、韓国をビザ免除にしたのは、米国に対する宥和的なメッセージではないのか、そんな話をしていますが・・それにしては、案件がちょっとマイナーじゃないのか、な気もします。韓国側が強く求めていたことなら分かりますが、各メディアの記事を読んでみると、『そんな話し合いはなかった』とのことでして。どちらかというと、イーデイリー(引用はしませんが、2日の記事)の「外国人観光客を誘致して、内需景気をなんとかするためではないのか」という話が、まだ説得力があると思われます。実際、韓国の旅行業界は、今回の措置で中国を訪れる韓国人観光客の数が2倍に増えるだろうと期待している、とのことでして。また、さき「日本は入ってない入ってないんだ入ってないのだ」なことを紹介しましたが、日本だけでなく、米国もそのビザ免除国家リストに入っていません。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・中国政府は、今月8日から韓国を含む一部の国の一般人を対象に入国ビザを免除すると発表した。中国が韓国に対してビザを免除するのは今回が初めてだ。韓国の場合、中国に対し済州島だけ限定で30日間のビザ免除を認めている。中国外交部によると、報道官は「中国・外国人の往来の便宜を図るため中国はビザ免除対象国を拡大することにした」、「2024年11月8日から、スロバキア、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランド、アンドラ、モナコ、リヒテンシュタイン、韓国の9カ国の一般旅券所持者を対象に、ビザ免除を適用する」と説明した・・・・中国は去年12月にドイツ、フランス、イタリアなど6カ国を対象にビザ免除を開始し、その後20カ国以上に対象を広げてきた。ただし日本はビザ免除が認められていない(朝鮮日報)・・>>

 

<<・・中国政府の電撃的な韓国15日間ビザ免除決定は、米国大統領選挙が終わる前に、米国はもちろん北朝鮮にも広範囲な外交メッセージを投げたものだと見ることができる。新しい米大統領が対中国外交政策を具体化する前に、関係改善の余地を設け、名分上で優位に立つという意図だとも読まれる。中国は韓国人ビザ免除措置を文字通り「投げかけた(※受け取れ、という意味で)」。以前にビザや団体観光関連措置がなされた場合には、韓国大使館や現地旅行業界にある程度の情報が事前に共有された。昨年8月、中国政府が電撃的に韓国や日本など親米陣営国家に団体観光許可を発表した当時にも、大使館と事前調整の状況があり、現地旅行業界がしっかりして関連商品発売を準備するなど、ある程度の流れがあった。ところが今回のビザ免除措置については全くそんな情況が捉えられなかった・・

 

・・両国関係が徐々に改善されれば、来年11月韓国の慶州で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力体)首脳会議に習近平中国国家主席が参加し、韓米首脳会談や韓中首脳会談が開かれる可能性も一層高まる見通しだ。外交情報筋たちの間では、すでに習主席が参加しない名分がないだけに、11月にAPECが韓米中関係改善の転換点になる可能性があるという解釈が出ている・・・・政治外交的理由はともかく、経済的側面だけを見ても韓中関係は改善が必要だ。昨年、韓中貿易規模は2615億ドルで依然として最も多かった。1869億ドルの米国とも比較できないレベルだ。しかし、中国に進出した韓国企業は中国の開放以来、最も難しい状況を経験している。実績急減に規模を減らす企業も少なくない。この結果が、約17億ドルに達する昨年の対中国貿易赤字だ。韓国の対中貿易赤字は1992年の修交以来、昨年が初めてだ(マネートゥデイ)・・>>

 

ヒットする記事が多くて(ほぼすべてのメディアが大きく取り上げています)、複数のメディアの記事を読んでみましたが、「中国の内需対策ではないのか」という見方以外は、ちょっとよくわかりません。米国へのメッセージを、なんで韓国ビザ免除でやるのかもよく分かりませんし、これで貿易赤字がなんとかなるのでしょうか。それに、習近平さんが訪韓するには、「相応のおもてなし」が必要でしょう。韓国側が、中国側が喜びそうな何かを事前に用意しない限り、彼は訪韓しないでしょう。思えば、北京アジア競技大会開会式のために韓国の総理が訪中し、習近平さんと面談したとき、習さんが「韓国まで飛行機でどれくらいかかりますか?」と話しただけで、「早ければ年内にでも訪韓するのでは」という記事が出たりしました。今回もそういう展開なだけではないでしょうか。米中首脳会談が事前にセッティングされるなら、ともかく。

 

 

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