昨日、ドナルド・トランプ氏が大統領に返り咲きました。予想できなかったことではないにせよ、思ったより余裕のある勝利でした。誰が大統領になっても、日本含め世界各国には有利なことも不利なこともあるでしょう。米韓関係だと、ユン政権はともかく、前回の「トランプ・文在寅」から、今回は「トランプ・李在明」になるのではないか・・そんな気もします。で、トランプ大統領ということで世界各国が各分野においてプラス・マイナスを考えるのは当然の流れですが、韓国メディアマネートゥデイなどが昨日から「中国の半導体工場がシャットアウトされるのでは」「米国に工場を作ることで約束された補助金、もらないのでは」など複数の記事を載せています。内容はともかく、「そ、そんなに気になっていたのか・・」とちょっと驚いたので、今回取り上げてみます。主に半導体関連です。<<~>>が引用部分です。
<<・・ドナルド・トランプ共和党候補の米国大統領当選が有力になり(※勝利宣言より少し前に書かれた記事です)、国内半導体業界で懸念の声が出ている。対中強硬基調で不確実性が加重され、負担も大きくなり、輸出の縮小による景気低迷を招く可能性があるという見通しも増えている。6日、半導体業界の反応を総合すれば、トランプ元大統領の当選による最大の問題は強硬な貿易関連政策だ。核心公約である米国産業基盤強化と10%~20%に達する関税、自国企業優遇政策などが韓国企業に負担を与えると予想されている。対外経済政策研究院によると、米国が普遍関税20%を賦課する場合、対米輸出額は最大42兆ウォン、実質経済成長率減少幅は0・67%と見込まれる。
半導体企業は、米国内の生産施設を建設する場合に補助金を与えるいわゆる「チップス法」の廃止を懸念している。サムスン電子(テキサス)とSKハイニックス(インディアナ)は米国に先端半導体工場を建設するために「兆」単位の投資を行っているが、補助金が縮小・廃止される場合、費用負担をそっくりそのまま負担しなければならない。業界関係者は「既に工場の建設が大幅に進んだため、キャンセルしたり規模を縮小するのも難しい状況」と話した。実際、チップス法の廃止の可能性は高くないという指摘が出ているが、補助金・税額控除などの恵沢の縮小は、事実上、もう決まっているようなものだ。トランプ候補は継続的に「チップス法は本当にマイナスでしかなく、韓国・台湾企業が何も払わずに米国で工場を建設している」というメッセージを出してきた。サムスン電子はテキサス工場に最大8兆9000億ウォンの補助金を、SKハイニックスは6200億ウォンの補助金支給を受ける予定だ。
対中強硬基調が半導体輸出を低下させるという観測も出ている。国内メモリー・ファウンドリ企業は中国IT顧客社の売上に依存する部分が大きく、国産製造装置の最大輸出国も中国だ。トランプ元大統領の核心公約である対中関税(最大60%)が現実化すれば、中国セット(完成品)の対米輸出が減り、中国に中間財を輸出する国内企業の売上減少も避けられない。中国に拠点を保有している国内半導体企業の生産施設が「シャットダウン」される可能性もある。米国政府は現在、国内企業の工場に例外的に先端装備の搬入を許可しているが、トランプ当選後の強力な装備の搬入が止まる可能性があるためだ。サムスン電子は西安工場で全体NANDフラッシュの40%を生産中であり、SKハイニックスは無錫と大連でDRAMの40%とNAND20%を作っている(マネートゥデイ)・・>>
他にも、日本・米国は株価が大幅に上がったのに、韓国はそんな現象が見られなかったこと(少し下がっています)もあり、2次電池など各産業において、似たような記事が目立っています。一つ前のエントリーでも紹介しましたが、そもそも韓国政府が『自由貿易』『WTO機能回復(これは、日本、アメリカ、EUが行っている補助金を止めてくれという意味でもあります)』などを通商政策として掲げているため、どうしてもこれからの『グローバルサプライチェーン再編』、特に半導体など経済安保関連での動きとは、溝があるとしか思えません。短期的には韓国メーカーに有利になるかもしれないけど、それは短期的な影響にすぎないと言われています。こちらもマネートゥデイの記事(10月22日、本ブログで取り上げたのは25日です)ですが、韓国半導体の中国輸出は56%まで上がっています(金額基準)。
<<・・韓国半導体産業の「中国依存」が依然として過度だという分析が出ている。汎用メモリ市場で中国が追い上げてきているし、米中対立などに伴う中国内での韓国企業の立場などを考慮して、急いで代案を設けなければならないという指摘だ。22日、政府によると、今年上半期(1~6月)、韓国全体の半導体輸出のうち、中国の割合が約56%(366億2000万ドル)に達した。それからも、7~9月にも韓国半導体輸出の中国の割合は着実に50%前後水準を記録した。今年の韓国の輸出は半導体がリードしているが、そのうち半分を中国に頼っているという意味だ。韓国と中国半導体企業間の「相互依存度」が高いという分析も出ている。大韓商工会議所SGI(持続成長イニシアチブ)はこの日公開した報告書で2022年基準中国の韓国に対するメモリ半導体輸出・輸入結合度がそれぞれ2.94、2.28と明らかにした。結合度が1より大きいと、両国貿易関係が相互補完的という意味だ(マネートゥデイ、10月22日)・・>>
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。