普通に「中心」または(主にデジタル関連の意味で)「中継基地」などと言えばいい気もしますが、韓国メディアの日本関連記事には「ハブ(hub)」という単語がよく出てきます。確か、もともとは車輪の中心部を意味する単語だと聞いたことがあります。この前、日本がアジアのLNGハブになろうとする・・という趣旨の記事を紹介したことがありますが、今回は朝鮮日報(15日)に、AI、詳しくはAIデータセンターとして日本がアジアのハブになるという記事がありました。盧武鉉政権で金融ハブになるという話がありました。あの頃からこの単語がよく使われるようになった・・氣もします。確かに日本にはAIデータセンター関連で多くの投資が行われています。
ソース記事によると、ソフトバンクが大阪に巨大なAIデータセンターを構築しようとしているし、オープンAIが東京にアジア初の支社を設立(2025年)、マイクロソフトがAI研究施設(2024年)、アマゾンがデータセンター増設(2024年)、オラクルがデータセンター増設(2024年)など、多くの事例があります。すべて、韓国ウォンにして4兆ウォン~22兆ウォン規模の投資になります。そういえば、2月24日に本ブログでも紹介しましたが、韓国でも約5兆円規模とされる世界最大級のAIデータセンターの話が出ています。ただ、それを進めている会社が、ゴルフ大会の賞金(約3億円)が用意できなくて大会をキャンセルさせた会社で、自社のオフィスもちゃんと確認できないとか、そんなニュースがありました。でも、もう自治体とずいぶん話が進んでいる、とも。こんな話が出てくるのも、「AIデータセンターハブは私たちだ」という意識があるのかもしれません。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・日本ソフトバンクと米国オープンAIが日本大阪にあるシャープの液晶表示装置(LCD)TVパネル工場を撤去し、超大型AI(人工知能)データセンターを建てることにした。AIチップであるNVIDIAのGPU(グラフィックストレージ装置)10万枚が搭載されるアジア最大規模のデータセンターだ・・・・アジアのAI拠点として活用するものと見られる。AI分野でアマゾンやマイクロソフト(MS)、オラクルなど米国のビッグテックたちの日本進出も続いている・・・・「大阪データセンター」はAI産業で日本が持つ強みを象徴的に見せている。大きな内需市場、強大な投資資本、AIインフラ運営に必要な電力産業の競争力、政府レベルの積極的な支援などだ。
このため、日本はビッグ・テック各社のアジアAI拠点として浮上している。Amazon Web Services(AWS)は昨年1月、日本内のデータセンターインフラを拡大するために150億ドル(約22兆ウォン)を投資すると発表し、4月にはOracleが80億ドル、MSが29億ドル、Googleが10億ドルの投資計画を明らかにした・・・・日本のAI内需市場はアジアから中国に続いて二番目に大きく、政府と企業の積極的な投資で急に成長する傾向にある。市場調査会社スタティスターによると、2024年の日本のAI市場規模は81億2000万ドルで、韓国(32億7000万ドル)の2.5倍水準だ・・
・・日本の金融、企業の資本力は豊富だ。チェソンヨル サムスンSDS ITトレンド専門家は、「日本はアジアで二番目に大きな経済大国であり、内需市場が大きく安定している」とし「ビッグテックの立場では、日本投資で大きな内需市場に接近する機会を確保できる」とした・・・・日本の場合、電力産業も強みだ。日本の産業用電気料金は韓国より50%ほど高い。しかし、電気供給による規制が少なく、AI産業に備えて長期的な電力需給計画を設けた・・・・クォンジェウォン アジュ大学教授は「日本は電気料金が韓国より高価だが、電力産業民営化で電力企業間競争をし、各データセンター事情に合わせて電気容量など契約を推進できる」とし「韓国は韓国電力だけで運営されるため、ビッグテックが受け入れにくい制度が多い」と明らかにした。
ある業界関係者は「ビッグテックのためにデータセンターを建てて運営してきた技術者も日本が韓国より多い」とし「ビッグテックの立場では日本が韓国よりもっと楽にアクセスできる市場」と明らかにした・・・・日本政府の積極的な支援もビッグテックの投資を引き出す要因だ・・・・ソンジョンヒョン東国大教授は、「日本は基礎科学と特許に強みがあり、高レベルの人材が集中している」とし「最近になって、政府も全力でAI産業の育成を支援している」と明らかにした・・
・・日本はまた、NVIDIAなど最先端のAIチップを生産する台湾のTSMCに大きな補助金を与え、工場を誘致して量産を始めた。 AI分野のユニコーンも登場し始めた。 2年前、東京に設立されたサカナAIはNVIDIAと日本の大型銀行投資を受け、昨年9月に企業価値10億ドルを認められた。イタルソク アップステージ最高技術責任者(CTO)は、「AI時代で遅れるわけにはいかないという日本政府の意志が確実だ」とし「可能性のあるところに支援してAIスタートアップの競争力を育てたり、海外AI人材確保のために日本政府が積極的に出ている」と話した(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。