韓国の産業通商資源部アンドックン長官が、再び訪米しました。3週間前に訪米したばかりですが、思ったほどの成果がなかったのか、また訪米し、主に相互関税関連で話し合いを続ける、とのことです。長官はいろいろ話していますが、例外を認めてもらうことは可能性が高くなく、その後の協議のための基盤づくりをする、などの趣旨です。また、いま世界規模で行われている「関税バトル」ですが、韓国銀行(中央銀行)がGDP成長率に0.1%影響する(成長率展望で1.5%から1.4%になる)という展望を出し、これについても「いやそうはならんやろ」な指摘も出ています。YTN(関税の影響は記事1(14日)、訪米関連は記事2(21日))民間シンクタンクの予想ですが、韓国の場合は貿易依存度が高いため、まずマイナス成長は間違いなく、ひょっとすると1930年代の大恐慌レベルの影響を受けることになるかもしれない、というのです。以下、各メディアから<<~>>で引用してみます。
<<・・関税バトルが激化すると、経済成長のエンジンが力を失うことになるのでしょうか。韓銀が、韓国のGDP成長率が1.4%まで下がる可能性があるという報告書を出しました。2月に韓国銀行の成長率見通しが1.5%じゃないですか。韓銀が前提とするシナリオは、米国が主要国に対して関税を上げ、他の国々も米国に対して関税を上げるという内容です。ところが、我が国の成長率が本当に0.1しか下がらないのでしょうか。 1.4なら0.1下がっただけになりますが。そうじゃないと思います。
だから、本当にそのように、米国が関税をかけて、他の国々も関税をかけるとするなら、1930年代の大恐慌レベルを前提にしなければならないと、私は(※民間シンクタンク現代経済研究院ジュ・ウォン室長)思います。当時よりは影響が若干弱い、といったところでしょうか。そうなれば、成長率はすぐにマイナスになります。私が見るには。韓国銀行のシナリオ1.4%は意味がありません。今の展望数値(※1.5%)とほぼ変わってないじゃないですか。それで、この部分は、私たちがもっと真剣に見なければならない部分のようですが、もし関税で、米国と他の国々がこのまま対立した場合、米国と相手国の貿易だけが萎縮するのではありません。大恐慌の事例を見ると、世界経済、世界全体の貿易そのものが萎縮してしまいます。そうなると、当然、輸出依存度がかなり高い我が国のような場合、これは私の個人的な考えですが、経済成長率はすぐにマイナスになります(YTN記事その1)・・>>
<<・・(※アンドックン長官の訪米で)トランプ大統領が予告した相互関税対応策も気になります。相互関税発表を控えた政府の対応は、どうなっているのでしょうか。アン長官の今回の訪米の主な目標は、来月2日に迫った相互関税対応です。先月26日、ハワード・ラトニック米商務部長官との出会いでは、協力チャンネルの構築だけ力を注ぎました。今回の訪米での計画は、次のようです。【アンドックン産業通商資源部長官「私たちは、米国とFTAを締結しているので、今、関税は事実上、両国間に、ありません。非関税障壁問題が提起される部分が少しあって、こういうことが、今国内で迅速に私たちが解決している部分があり、そのような内容をちゃんと説明して・・」】・・
・・スコット・ベッセント財務長官が米国に相当な関税を課す国を「ダーティー15」と呼び、今回の相互関税で主要ターゲットとすることが予想されています。韓国が「ダーティー15」に含まれるかどうかについて、アン長官は予断できる状況ではないと述べたが、韓国は韓米FTAでほとんど米国産商品を無関税で輸入しています。アン長官は、韓国を相互関税対象から免除できるかという問題については、米国がいったん国家別に相互関税率を発表した後、今後の交渉を通じて変えることができるというメッセージを出している、と話しました。長官は、相互関税問題はトランプ政権中ずっと続く問題であるため、対応は一発で勝負するわけではなく、信頼を構築し、継続的に貿易の枠組みを作るプロセスであると強調しました・・
・・ホワイトハウスは、韓国企業の米国内投資をトランプ関税政策の成功事例として紹介しています。現代自動車グループは、米国ジョージア州で「現代自動車グループ メタプラント アメリカ」の竣工式を予定しています。現代車の対米投資が、オープンAI・ソフトバンクなどの人工知能(AI)投資に続き、トランプ製造業ルネッサンスの事例だということです。アン長官は3週間前にもラトニック商務長官と会談し、造船業や先端・戦略産業における協力について協議しました。今日、ライト・エネルギー省長官との出会いでは、米国の液化天然ガス、LNG輸入拡大などエネルギー協力議論が行われるだろうと予想されます(YTN記事その2)・・>> 明日は1日休みをいただきます。月曜に休んだばかりなのに申し訳ございません。次の更新は日曜のいつもの時間(11時頃)になります。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。