なんか、関税関連で懸念が和らぎ、米国株が大幅に上がったと聞きますが・・さて、それでもまだまだ関税関連の不確実さが世界各国に影響している今日この頃。韓国メディアが、「米国は半導体で同盟国に協力を要請するだろう」という記事を載せました。マネートゥデイ(25日)の記事ですが、読んでみると本文は題詳しくなにか同盟同士の協力ではなく、中国市場のために「戦略的あいまいさ」を維持しようという内容です。この言葉、ずいぶん前から見てきましたが、まだまだ現役のようです。市場的は話は、汎用半導体に関する内容がいろいろ出てきます。日本、米国、台湾、韓国が先端半導体にだけ競争している間、家電などの半導体でまだまだ主役の汎用半導体において、中国が市場をものにしつつある、というのです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・韓国・台湾・米国・日本が先端工程で競争している間、中国がグローバル旧型(汎用)半導体市場を掌握している。売上よりも多くの投資を行い、市場で影響力を広げている。背景には中国政府の全面的な支援がある。鉄鋼・バッテリー・ディスプレイ産業でシェアを高めてきた戦略を半導体でも使っている。ピンチを直感した米国は、中国産汎用半導体に対する追加関税を検討している・・・・米国の中国汎用半導体牽制が「周辺局と同盟」を基盤になされる可能性が提起されている。韓国では、米国の動きに参加する「実理的選択」をするだけでなく、中国との技術差を広げることに集中しなければならないという声が出ている。
米国は去る1月から中国半導体に50%関税を適用するなど牽制を始めた。米国半導体産業協会は先月5日、米国貿易代表部(USTR)に提出した報告書で「同盟国と協力」をもとに中国をさらに圧迫することを主張した。これにより、米国政府が韓国に「中国牽制」への参加を要求する可能性が高くなってきた。韓国と米国が「同盟国」という点、国際社会における米国の影響力、米国内の半導体需要などを考慮すると、韓国が米国の要請に応じないでいるのは、容易ではない。ただ、米国以上に大きな対中半導体輸出、韓国企業の中国現地投資などを考慮すると、韓国が一方的に米国側に立つこともまた難しいという分析も出ている・・
・・サムスン電子は中国西安でNANDフラッシュメモリを生産中だ。サムスン電子全体のNAND生産量の約40%以上が中国西安作られる。SKハイニックスは中国の無錫と大連でDRAMとNANDを作っている。無錫で生産するDRAMはSKハイニックス全体のDRAM生産量の半分以上だ。無錫工場の昨年の売上高は5兆6127億ウォンに達した・・・・専門家たちは、まず、米国との協力をもとに汎用半導体市場で中国のシェア拡大を防ぐ必要があると提案した。中国の汎用半導体市場掌握を放置した場合、韓国の最先端半導体事業にも相応の影響を及ぼす可能性があるからだ。ただ、一方的に米国の側に立つ姿を見せるよりは「戦略的曖昧性」を維持する必要があると明らかにした。
キム・ヤンパン産業研究院半導体専門研究院は「結局、実理を求めなければならない」とし「米国の中国牽制のレベルなどを見て、状況に合わせて対処する必要がある」と話した。続いて「前には戦略的曖昧性ともよく言っていたが、そのように、あえて私たちが先に出る必要なく、状況に応じて気敏に動かなければならないだろう」とした。米中対立の中で、われわれがダメージを受けずに競争力を維持する案は、結局は「技術」しかないというのが専門家たちの共通指摘だ。中国の汎用半導体(28nm以上の工程で生産されたチップなど)の影響力が大きくなると、対応策として10nm以下の先端工程集中が挙げられるが、業界の意見は異なる。中国産汎用半導体に依存度が高まるのが問題だという指摘だ。
トランプ政府の中国産汎用半導体追加関税と関連して、フォード、GM、ステランティスなどで構成された米国自動車貿易政策協議会(AAPC)は「車両には先端半導体がほとんど必要なく、汎用半導体で十分」とし「安定的で経済的な汎用半導体供給が重要だ」と話した。現在、車両には1台あたり1000~1400個の半導体が使われているが、ほとんどが汎用半導体だ。自律走行技術など一部の技術には先端半導体が必要だが、電動シート、空調システムなど残りは汎用半導体が使われる。コンサルティング会社のマッキンジの分析によると、2030年までの車両用半導体需要の67%が汎用半導体になると予想されるとした(マネートゥデイ)・・>>
「実利を得よう」という主張に問題があるという意味ではありませんが・・戦略的あいまいさ(中国側への配慮)と中国への牽制(米国側への参加)という内容がこれといった区分もなく一つの記事に書いてあるのが、「いかにも」な感じです。それに、この前、訪米した経済団体の人たちが米国側からこれといった肯定的な返事が聞けなかったとき、多くのメディアが「同盟なのに」という記事を載せていました。なのに、本件のような場合はまた「同盟だけど」というふうになるのが、また「いかにも」です。いつものことですが。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。