韓国の通信大手「SKテレコム(SKT)」に大規模のハッキングが発生し、契約者のUSIM情報が流出され、大きな話題になっています。同じ内容でも、報道によって多少異なる記述があるし、そもそもSKT自体も詳しい内容・規模が把握できていないようですが、規模は契約者2500万人全員(2300万人との報道もあります)の可能性があり、暗号化されていないという報道もあります(MBC、4月30日)。USIM交換で対応するということですが、そう簡単にUSIMカードを2500万枚(最多の仮定で)も用意することはむずかしく、混乱が続いています。朝鮮日報(1日)は、中国と連携しているハッキングだった可能性を提起しました。ただ、SKT側から相応の発表があったわけではありません。以下、各紙から<<~>>で引用してみます。
<<・・SKテレコムが、ハッキングにより、もしかすると全回線利用者2500万人の情報がすべて流出した可能性もあると明らかにしました。SKT代理店のUSIMは底をつき、まだ約定違約金が免除されていない状況であっても(※たとえば、2年契約の人が、まだ2年使ってなくても)、加入者の多くは別の通信会社に移動しています・・・・SKテレコムは、今回のハッキング攻撃で利用者全員のUSIM関連情報が流出した可能性があると認めました。【チェスジン議員(国会科学技術情報放送通信委員会) 「それでは、2500万人の加入者が全員、流出した可能性がある、そういう話ですか」】/【[ユヨンさんSKテレコム代表「そうである可能性もあるとし、準備しています」】・・
・・今まででもっとも大きなハッキングという指摘に、漏洩したデータが暗号化されていなかったとも話しました。【リュ・ジョンファンSKテレコム副社長「ネットワーク側は、現在、暗号化されていない部分が多いです。私たちもその部分に対してすごく反省しています」】。SKテレコムがUSIM無償交換を始めてから3日目にして、もう都心店舗の前には長い行列も消え、「USIM在庫ありません」というお知らせだけが貼られています・・・・状況がこうだから、別の通信会社に乗り換える人たちも増えています。SKテレコム加入者は28日から3日間8万人以上減少しました・・・・通信会社を変えたくても約定期間が残っていて、違約金を払わなければならない利用者も大勢います。
そのため、ハッキングされたのはSKテレコムなのに、なぜ消費者が違約金まで出さなければならないのかという不満があふれています・・・・利用規約に明示されているにもかかわらず(※こういう場合は違約金を免除するという内容が規約に書いてあるとのことですが、SKテレコム側はまだ応じていません)、違約金の免除について、SKテレコムは、国会議員の質疑が繰り返されると、仕方なく検討すると話しました・・・・ハッキング事態以降、対策も、説明も不足していたSKテレコム。国会は、違約金の免除の問題を再び尋ねるために、チェテウォンSK会長を次の公聴会証人として採択しました(MBC)・・>>
<<・・SKテレコムの顧客USIM(汎用加入者識別モジュール)情報流出事態が、中国と連携したハッカーグループの仕業である可能性が提起された。台湾サイバーセキュリティ企業TeamT5は先月24日、「イバンティ(Ivanti)VPN機器の脆弱性がもたらす世界的な危険警告」という報告書を発表した。これによると、「Ivantiコネクトセキュア」という会社のVPN(仮想プライベートネットワーク)装備の重大な脆弱性を利用、最近、中国と連携したハッカーグループが世界中の様々な機関に侵入した。 TeamT5は対象国として韓国をはじめとする12カ国を挙げた。対象産業としては通信など20の分野を挙げた。偶然にも発表時点頃の先月19日、SKテレコムハッキング事故が起きた。
業界によると、イバンティのVPN機器はSKテレコムなど相当数の国内企業に入っている・・・・SKTはハッキングの原因に対して可能性を開いておいて調査中という立場だ。リュジョンファンSKテレコム副社長は30日、国会科学技術情報通信通信委員会の聴聞会で「(ハッキングされた内部ネットワークは)閉鎖ネットワークであり、分離ネットワークにもかかわらず、ハッカーが侵入した」とし「その部分を調査して問題点を探そうとしている」と話した(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。