韓国政府「仲介外交」の中核・APEC首脳会議、トランプ大統領は日帰りか・・米韓首脳会談も不透明

李在明政権で言っている「実用外交」とは、盧武鉉政権で言っていた「均衡(バランス)外交」と基本的に同じものです。そもそも、バランス外交の名称が「均衡実用外交(または政策)」でした。盧武鉉政権のバランス外交、文在寅政権の仲介・仲裁外交を継承しているのが今の李在明政権であるわけですが・・その仲介外交の中核として重視されているのが、今月末に韓国慶州で開かれる「APEC首脳会議」です。米中首脳が会う予定で、うまくいけば米朝首脳会談もありえる、というのが全般的な展望です。ただ、米中首脳会談の場合は「タイミング的にそうなった」ことで、米朝首脳が会同するほどの何かの仲介ができているとも思えません。にもかかわらず、今回のAPEC首脳会議は「トランプ大統領も習近平主席も来る!」と、大きな話題になっています。

そのAPEC首脳会議ですが・・どうやら、トランプ大統領は「日帰り」で、APEC会議(本会議)にも参加しないという報道がありました。米韓首脳会談も、なし、または略式になるのではないか、と報じられています。朝鮮日報(4日)によると、トランプ大統領の韓国滞在時間は約12時間しかない、とのことでして。トランプ大統領はまず26日~28日にマレーシアで開かれるASEAN首脳会議に参加します。そして27日~29日に日本を訪問します。多分、26日~27日あたりにマレーシアを訪問するのでしょうか。個人的に、高市早苗さんがこのまま総理になれたらと思っていますが、新しい総理と首脳会談を行うとされています。で、そのまま訪韓して、29日に日帰りで米国へ帰る予定だ、とのことでして。




そもそもAPEC首脳会議が31日からなので、この日程だと、31日まで韓国にとどまるとはちょっと思えません。そもそも朝鮮日報が「12時間」と報じているなど、結局は日帰りになるのでは、と。習近平主席がいつ訪韓するのか分かりませんが、もし本当に習主席が訪韓するとしても、APEC首脳会議ではなくトランプ大統領に合わせるのはないでしょうか。それとも、参加しない可能性(他の人が参加する)もありますし。米国側としては、足に穴が空いた可能性もあるにはありますが、単に日程の問題でしょう。「中国との貿易協定」以外はあまり考えていないのでは。韓国側としても、久しぶりに書きますと「日程のせいで」と言うこともできるかもしれません。

でも、単に多国間協議の議長国になっただけで「仲介外交」「仲裁外交」「実用外交」としていた韓国政府としては、妙な立場になりました。でも、朝鮮日報すらもまだ「それでもまだ(韓国ではなく他の場所でも)米朝首脳会談の可能性がある」と報じています。なにか相応の仲介はしたのでしょうか。もし(可能性は低いでしょうけど)できたとしても、単に「米朝がどっかで会った」だけでは。KBSの報道だと、さすがに「形」として思わしくないと思ったのか、韓国政府はトランプ大統領が一泊二日日程で訪韓するように働きかけている、とのことです。まだ日帰り確定というわけでもないようですが、はてさて。以下、<<~>>で引用してみます。

 




<<・・ドナルド・トランプ米大統領が、今月末に慶州で開かれるアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議を控えて、29日に日帰り日程で訪韓するだろうと3日、外交情報筋が伝えた。世界有力企業人が参加するAPECビジネスサミットに参加した後、米中首脳会談を持つということだ。このため、31日APEC開幕式と11月1日まで続く首脳会議には参加できない可能性が高いという。トランプ大統領は来る26日、マレーシアで開かれるアセアン(ASEAN・東南アジア国家連合)首脳会議に参加した後、日本に移動して、27日から29日まで2泊3日間で日本に滞在することが分かった。 28日、新たに選出される日本首相と日米首脳会談を開き、翌日の29日に訪韓すると伝えられた。

外交情報筋はこの日、本紙に「現状況で、トランプ大統領は29日、韓国に12時間ほど滞在してから帰ると知られている」とし、「トランプ大統領が31日から始まるAPEC首脳会議に出席できないのは、ほぼ確定している」と話した。米国側は、先週から韓国政府側とこのような日程を調整してきたという・・

 

・・(29日に開かれる)APECビジネスサミットには参加する可能性が高い。この行事には・・(※有名企業人の名前)・・など世界主要企業人の参加が有力な状況だ。以後、習近平中国国家主席と両者会談をして出国する可能性が大きい。李在明大統領との略式会談も予想される。政府の情報筋は、「習近平主席も29日に、米中首脳会談に合わせて訪韓するなら、1日のAPEC首脳会議まで韓国に留まる可能性は高くないだろう」とした。これにより、APEC首脳会議の最後にある次期議長国への引き継ぎ式典は、主席ではなく中国の高位公職者が行う可能性も提起される。ただ、トランプ大統領と金正恩国務委員長が、韓国ではなく第3の場所で「サプライズ会同」をするかは、依然として変数だ(朝鮮日報)・・>>

デジタルタイムズなど他のメディアは、米朝首脳会談の可能性は低く、トランプ大統領の訪韓期間が短くなると、さらに難しくなるのではないか、と報じています。「現状、米朝首脳が話し合う可能性は大きくないように見える、というのが一般的な観測」「知られているように、トランプ大統領がAPEC本行事の前に短い間だけ韓国を訪問する場合、会談の成功確率はより低くなる」、と。




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