韓国メディア「APEC前にトランプ大統領が日本を訪れるのは、米韓関税交渉への不満を表したのではないか」

昨日もお伝えしましたが、「仲介外交」の中核とされてきたAPEC首脳会議。公式には10月31日から始まります。しかし、習主席主席の国賓訪問(成功すれば、次のAPEC議長国の中国も李在明大統領を国賓招待してくれるという算段)と、トランプ大統領の「日帰りツアー」可能性で、雰囲気がかなり揺れています。「もしかして、APECって米中首脳会談のきっかけを提供しただけではないのか」との指摘も(実際そうですけど)あります。それでもまだまだ米朝首脳(級)会談に期待を寄せる声もありますが、いまのところその可能性はかなり低く、米韓首脳会談も略式、または無いのではないかとの話も出ています。

ちなみに、昨日も書きましたが、日帰りとか国賓訪問無しとかの話は、まだ確定したわけではありません。朝鮮日報のように「トランプ大統領は12時間滞在予定」詳しく書いているメディアもありますが。そんな中、高市早苗総裁の誕生もあって、MBN(4日)が「日韓関係(トランプ大統領の日帰りのことで、日米関係も)の雲行きが怪しい」と報じています。記事は、トランプ大統領が日本(これもまだ未確定ですが二泊三日予定)を先に訪れるのは、実は貿易協定の合意(合意の合意)が遅れている韓国に対して不満を表したのではないのか、としています。いや、その頃には新しい総理も誕生しているはずですし、普通に日本から訪れるのではないか・・な気もしますが。




記事引用の前にもう一つ、個人的にちょっと気になったニュースがあるので、ついでに紹介します。「トランプ米大統領が国内の自動車生産に対する関税相殺措置の拡充と延長を検討している」というニュースがありました。共和党上院議員からの情報だそうで、ロイターの取材によるとその対象はフォード、トヨタ、ホンダ、テスラ、ジェネラル・モーターズなど(米国内での調達比率が高い順での上位5社)で、これら5社はいわゆるトランプ関税の分をほぼゼロにできるのではないか、とも。現代自動車の米国内生産が結構あると聞いていましたが、記事には書かれていません。まだ韓国メディアは取り上げていませんが(ありそうなのに、ヒットしませんでした)、もしこれが本当ならまた結構な話題になるでしょう。日本関連ですから。それでは、MBNの記事、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※自民党総裁選のことで高市早苗総裁が誕生したことで)今回の結果は、日韓関係に影響を与えるしかありません。わずか2ヶ月前に韓日首脳が会ってシャトル外交を約束したことがありました。しかしその石破茂首相とは全く別の方向性を持つ首相の誕生が予想されているだけに、日韓関係にも停止信号が灯るのではないか、という懸念が提起されています。高市総裁は「強い日本」、「もっと主張する日本」を基調にしているだけに、この過程で外交的な葛藤が生じる可能性があるという分析です・・




・・【崔恩美 牙山政策研究院研究委員 「強い日本ということをすごく強調するだろうし、安倍元総理の対外政策とかなり繋がっている部分があるということです。韓国がそれを同じ路線で行くことは、多分、ないでしょうから・・」】ただ、高市総裁も北朝鮮問題に対する日米韓連帯の重要性に言及してきただけに、対外関係に大きく影響する言行は控えるだろうという分析も一緒に出ています・・

・・(※米韓関係で)トランプ大統領の訪韓日程ですが、訪韓日程が日帰りになる可能性があるという話が出ていますが、どのように理解したらいいのでしょうか。トランプ大統領はAPECに先立ち、関税交渉をすでに妥結した日本に2泊3日の日程で滞在すると伝えられています。このため、米韓関税交渉が難航していることについて、迂回的に不満をあらわしたのではないか、という解釈も一部から出ているところです。ASEAN首脳会議のため26日からマレーシアを訪問するトランプ大統領の外交日程も、影響を与えたとみられるています・・・・APEC開幕日が31日であるだけに、アジアの巡方だけに多くの時間を割く可能性が大きくいというのが外交家の分析です。

トランプ大統領の訪韓による米朝会談の可能性が言及されていましたが、現時点ではそう簡単ではないように見えます。訪韓期間が短くなっただけに、米朝会談が行われる可能性もその分、低くなります。ただし、私たちが取材したところによると、米国と北朝鮮の間では、会談のための水面下での作業は継続中であると把握されました。米韓会談もまだわからない状況で、米朝首脳会談が開かれるなら、朝鮮半島情勢は予期せぬ新たな局面を迎える可能性もあります(MBN)・・>>

米国大統領が訪韓して、「米韓首脳会談はわからないけど米朝首脳会談はあるかも」という記事が出たこと自体、雲行きが普通ではない気もします。

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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