フィリピンのドゥテルテ大統領が、核戦争を止めるために金正恩氏の「体制保障」を提案すべきだと話しました。
これは韓国の憲法的に問題がある内容であるため、もし文在寅政権になる前にこんなことを言ったなら、韓国では大騒ぎになったはずですが・・いまは韓国の大統領も同じことを言っているので、むしろ賛成する人が多いことでしょう。
(ここから「続きを読む」の後になります)
<・・朝鮮半島で核戦争が起こるのを防ぐためには、西側とその地域の同盟国が対話に乗り出し、金正恩労働党書記に、彼を脅したり、権力の座から追い出す計画がないことを確認させてやる必要があると述べた・・>
http://v.media.daum.net/v/20171030094414199?d=y
※追記
元ソースを探してみました。まだ日本に出発する直前に話した内容です。デイリーインクァイアラより。
<・・President Rodrigo Duterte said on Sunday night that somebody would have to talk to North Korean leader Kim Jong Un to prevent nuclear war from breaking out in the Korean peninsula.
The President said somebody would have to assure the North Korean leader that that the West and its allies in the region would not threaten him or plan to oust him from power・・>
ttps://globalnation.inquirer.net/161262/rodrigo-duterte-north-korean-missile-crisis-kim-jong-un
※自動的に派手なリンクが付く仕様のようで、URL最初から「h」はずしました。
すでに何度も書いた内容ですが、韓国の憲法3条(領土条項)に韓国の領土は「朝鮮半島と付属した島々」となっており、北朝鮮も韓国の領土であると解釈されています。北朝鮮は違法占拠、または未修復地域ということになっています。
その次の4条は統一に関する内容で、主に左派思想の強い人たちによって「3条と4条は矛盾している」とする議論がありました。「北朝鮮が違法占拠なら、誰と誰が統一するというのか」ということです。
その議論についてすでに大法院(最高裁判所)が、「矛盾することは無い」と判決しているので、3条の領土条項は「北朝鮮も含まれる」という解釈が維持されてきました。
・・とはいえ、政権のために存在するのが韓国の憲法です。
この憲法解釈に公式に異論を提起したのが金大中氏です。彼は、北朝鮮の「体制」を認め、それを崩壊させるための政策はしない、と宣言しました。その流れがいまの文在寅大統領にも受け継がれています。
前の政権なら、「韓国の立場としては決して受け入れることができない」とされたはずの、フィリピン大統領の提案。むしろ、いまでは歓迎されるものになってしまいましたが・・
「さらなる制裁を」と「体制の保障を」が衝突する中、トランプ大統領が日本や韓国、中国を訪れた時にどのような対北メッセージを発するのか、気になるところです。
余談ですが・・ドゥテルテ氏は彼なりに朝鮮半島のために考えた提案なのかもしれませんが、それは無駄です。なぜなら、北朝鮮は核保有国に「なってから」の対話ならともかく、「なる前」の対話(核兵器の放棄などのための対話)には決して応じないしょうから。彼らにとって核兵器は、主体(金日成)と先軍(金正日)の流れを次ぐ、聖なる存在です。それをヤメロと言うこと自体、無駄です。
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