ずいぶん前からですが、韓国では朴正煕氏の像(本エントリーのものは青銅製だそうです)を作る問題で論争がありました。
先週にも同じことがありました。韓国のソウル、光化門(クァンファムン)の世宗大王の像を作った人が、保守団体の募金で作った朴正煕氏の像を、朴正煕記念館に寄贈しました。記念館側は、この像を設置する予定でした。
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ですが、与党側の区議員たちが記念館前でデモを行いました。朴正煕の像なんか絶対ダメだ!と。
記念館側は、「記念館の敷地内に設置することになるのに何が問題だ」としていますが、記念館はソウル市所有の土地を無償で使っているため、ソウル市の許可が必要で、どうなるかまだわからないとのことです。
http://v.media.daum.net/v/20171112150755183
像は別にどうでもいいと思います。朴正煕大統領の記念館にまで彼の像が設置できないのは、さすがにかわいそうだな・・って気もしますが、本エントリーは像の可否に関するものではありません。
本題は、該当地域(麻浦マポ区)の議員たちが、朴正煕氏を「親日反民族行為をやった独裁者」と話していたことです。
独裁者だと主張するなら、わかります。像がだめだとデモをやるなら、それもわかります。でも、彼は「親日反民族」なのでしょうか。
韓国では、親日と反民族は、事実上の同じ意味になっています。
北朝鮮に「反民族」と言うことはほとんどありません。軍事政権のときには、北朝鮮の金日成を反民族だとよく言いましたが、最近はよほどの保守系論客でもないと、そういう呼び方をする人はいなくなりました。
韓国左派の理屈だと、戦後、民族国家(南+北)の誕生を邪魔した米国と李承晩(南側だけ)も、すべて「反民族」になります。
大韓民国そのものが、大いなる朝鮮民族国家の誕生を邪魔した失敗作なのです。だから、左派はデモの際にも韓国の国旗・国歌は用いません。失敗作の象徴など、尊重する理由が無いのです。
しかし、反民族という言葉が付くのは、いつも「親日」です。対象が本当に親日なのかどうかなどどうでもよく、ただ「そういうこと」にすれば、その対象を潰すことができます。
なぜ親日だけが「反民族」なのか?簡単に言うと、「受けがいいから」ではないでしょうか。「末韓論」にも書きましたが、「反日」は韓国民の総意であり、「反共」は部分的なものにすぎないからでありましょう。
韓国の二つの国是、反日と反共。一時は反共のほうがもっと「上」の存在でしたが・・・もはや、反日に勝るものは、無くなってしまいました。
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