「米国が日本を叱った」。韓国で日本関連記事によく出てくるパターンです。米国に言われると日本は従うしかないと思っているからです。韓国側の記事がギブ・アンド・テイクという外交の基本を理解していない(一方的な結果だけを望む)のは日本関連だけでもありませんが。
あと、これも韓国側の記事によく出てくる内容ですが、「日本はすぐ核兵器が開発できる」「日本にはプルトニウムが多すぎる」「韓国は原子力協定のせいで核兵器も原子力潜水艦も保有できない」。そういえば、「韓国だってすぐに開発できる」という記事もありました。根拠不詳ですが。
この二大要素が夢の共演を繰り広げる朝鮮日報の記事があったので、今日はそれを紹介します。
(ここから「続きを読む」の後になります)
<日本は核保有国でない国の中で唯一「使用済み核燃料を再処理」を国際社会から認められている。日本は「高速増殖炉事業を推進する」という名分を掲げ、数十年前からプルトニウムを生産してきた。現在、全世界のプルトニウム500tの47tを日本が持っている。原爆6000個を作ることができる量である>
<日本が高速増殖炉事業をやめた瞬間、日本がこれ以上その多くのプルトニウムを持つ理由も消える。国際社会に「核不拡散」を圧迫している米国が、日本だけ特別待遇する根拠も希薄になる>
記事は「高速増殖炉に失敗したから米国及び国際社会が日本を圧迫している」としています。
ですが、最後はこうなっています。
<国際社会が日本の使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムを生産できるように許可する法的根拠は、1988年に締結された「日米原子力協定」にある。この協定は、今年7月に満了されるが、有効期限が切れ期限6ヶ月前まで日米のどちらも異議を申し立てていないため、事実上、自動延長が決定された状態だ>
http://v.media.daum.net/v/20180611030628795?d=y
ニュアンス的に、記事に矛盾があります。米国が本当に圧力をかけているなら、協定が自動延長されるはずないでしょうに。おかしいですね。
多分、ですが。
国際社会で、日本のプルトニウムのことで「おおすぎないか」と指摘する声があるのも事実でしょう。でも、協定を変えるほど問題提起されてはいない、というオチではないでしょうか。なにせ、日本は高速増殖炉をやめるとは言っていません。
でも、韓国側には現状がこう見えたのです。「米国が日本の核兵器保有を牽制してくれた」、「しかしそれでは足りない。米国は日米原子力協定もなんとかしないといけない」。その拡大解釈の中で、矛盾が出来上がったのではないでしょうか。
韓国が恐れているのは北朝鮮の核兵器ではなく、日本の核兵器である・・・この手の記事を読むたびに、そう思わずにはいられません。次の本のテーマもこういうものになると思います。
♨ 著書関連のお知らせ ♨
・12冊目、「韓国人による罪韓論」が発売中です。
今回は2018年になってからの出来事、北朝鮮の非核化問題、南北首脳会談のこと、韓国社会の親北化、韓国社会にあふれている市民団体の政治権力化と直接民主主義への渇望、そして慰安婦合意不履行宣言のことなどを扱っております。
・11冊目にして「日韓比較論」第二弾、「人を楽にしてくれる国・日本~韓国人による日韓比較論~」が発売中です!
・他にも韓国の反日思想に対する考察をまとめたシリーズがございます。それぞれ、重点を置いた部分が違います。今までのシンシアリーの拙著については、書籍紹介ページをご覧ください。