普通の歴史観だけでなく、上古史と呼ばれるトンデモ歴史(中国とユーラシアまで韓民族が支配した!とかそんなもの)にいたるまで、韓国の民族主義(自民族中心主義)には「大陸こそ凄い」とするパターンがあります。
例えば上古史の中で、「広い領土」という設定を作るために韓民族が中国大陸を支配した・・とするのは、ある程度は仕方ないのかもしれません。朝鮮半島は彼らを満足させられるほど広くないですから。
上古史の中では、高句麗、新羅、百済(韓国ではこの三つの国を三国時代とし、すべて韓民族の歴史に含めます)もすべて中国大陸にあった(中国大陸を支配した)国だとしています。そして、それらが「まるで朝鮮半島になった国々」のようになっているのは、植民地史観(併合のおかげで発展できたとする主張など)を支持する親日歴史学者たちの陰謀だと主張します。
上古史にとっては、朝鮮半島など、「格下げするための陰謀」ぐらいのレベルです。「輝かしい文明を作った民族」としながらも、中国やユーラシアに凄い文明を作った、日本に文明を教えてやったとするだけで、朝鮮半島に輝かしい文明があったとは誰も言いません。
「上古史」の中の韓民族は、朝鮮半島もちゃんと支配していたはずですけど、なぜ上古史では朝鮮半島がパッとしないのでしょうか。
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韓国の学術誌「歴史批評(2016年春号)」に載っている内容ですが、韓国では植民地近代化論を支持する学者の一人として叩かれている、江原大学校のキ・ギョンリャン講師は、こう主張しています。
「上古史が人気を得ていたのは、上古史の中に存在する強力な祖国を描くことが、大衆にとって実に甘く、魅力的だったからだ」、
「上古史は、日帝に強制占領された韓国史の劣等さを否定するために作り出したもの」、
「上古史の中では、古代の私たちの歴史は、朝鮮半島ではなくもっと広い大陸にある」、
「それは、結局は『大陸に比べると朝鮮半島は劣等なものだ』と、また別の劣等感を作り出しているにすぎない」。
私は、この意見に強く同意しています。
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