「朝鮮半島の分断は、周辺強大国の責任だ」とする韓国側の理屈。いままでいくつか韓国側の記事を紹介してきましたが、1995年10月19日のハンギョレの記事を、また一つ紹介します。
いまでは韓国で「日本の良心」とされている河野洋平外務大臣ですが、当時はものすごく叩かれていました。村山総理が「併合は適法なものだった」話したことで韓国側が強烈に怒り、金泳三大統領が日本側のマスコミとのインタビューで「分断に日本の責任がある」と話し、その後に河野外務大臣が「日本は朝鮮半島の分断に責任など無い」と話し、また韓国側が炎上したからです。
そんなときの、記事です。
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<・・日本が朝鮮半島の分断の責任が無いとはどういう詭弁なのか。米軍とソ連軍が朝鮮半島を強占し、基地とした状況で、彼らを武装解除させ降伏させるために入ってきたのではないか。それなら原因提供者である日本がどうやって責任を免れるというのだ。このような厳然たる事実から目をそらし、自分たちに有利にだけ歴史を解釈する日本の偏屈な態度が、韓日関係をダメにしていることに、日本は知るべきだ。
韓民族は数千年の間、同じ言語と生活風俗のもとで生きてきた単一民族だ。しかし最近になって日本の強圧に勝てず、併合という恥辱をされ、自分の運命を自らの力で決定できない奈落に陥ったことで、急変する近現代史の中で能動的に対処することができなかった。重要な時期に民族の力量を育て民族の歴史を花咲かせる機会を剥奪された結果が、今日の南北分断まで続いているのだ。日本は当然のこととして、隣国で犯した間違いを深く謝罪し、罪業を洗い流せる道を探すべきであろう>
いまなら「併合」という字を使っただけで叩かれそうなものでもありますが。韓国が「併合時代に発展した」という、いわゆる植民地近代化論を徹底的に叩いているのも、実はこの主張と繋がっています。
後に金大中大統領が「周辺強大国に分断責任がある」と公式演説で話し、(それが3月1日だったことから)マスコミが「明らかに日本の責任が大きい」と補佐(?)したことなどから、いまでも「そういうこと」になっています。
ちなみに、韓国でも分断は「内部責任論(朝鮮半島内部の問題がもっとも大きい)」とするのがあるにはあります。その中には、「日本の敗戦の後にも、朝鮮半島は統一するつもりが無かった」というのがあります。
南側は李承晩氏を中心に南側だけの統治でいいやってことにしていたし、それは北朝鮮も同じです。
在米政治学者であるイ・ジョンシク教授は著書「Communism in Korea(1972年)」によると、北朝鮮はすでに1945年10月に「5道行政政局」というものを発足しました。自分たちの統治権が届く北側の行政区域の再編を試みたものです。これは北朝鮮の金日成政権が、すでに一九四五年時点で北側だけの統治を想定していた(南側との連帯は考えていなかった)証拠であると、李教授は主張しています。
とはいっても、内部責任論など、いまはほとんど潰されました。
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