ほぼ同じタイミング(約1日の差)、韓国と日本の専門家が真逆の主張をしました。こういう「ほぼ同時」も珍しいかなと思って、更新します。
韓国側の記事は、前にも紹介したものですが、もう一度引用します。
<・・米朝首脳会談での終戦宣言の可能性が提起されると(※結果的にはありませんでした)、日本国内では、今後に平和協定が締結されると在韓米軍の撤退につながり、米国の防衛線が後退し、日本が中国、ロシアと直接向き合う「最前線国家」になるという懸念が出始めた。米軍の撤収が朝鮮半島の中立化となり、中立となった朝鮮半島が中国勢力圏に編入し、対馬海峡が軍事境界線になるという単純な図式である。日本が窮地から抜け出したいなら、旧態依然な伝統的地政学的思考を捨てて外交の本来的な役割を復活させなければならない。>
国民日報、6月11日です。書いたのは、韓国の高麗大学校の教授で、グローバル日本研究院という、日本を研究する専門機関の院長でもある人です。「中立となった朝鮮半島の中国勢力圏編入」という矛盾した文章が印象的でした(そんなものは中立とは言わない)。
http://v.media.daum.net/v/20180611050059549
(ここから「続きを読む」の後になります)
そして、その翌日(6月12日)、日本の産経新聞には、真逆の記事が載っていました。「織田邦男元空将『最悪のシナリオを語ろう』」という記事です。
織田元空将は、「米朝首脳会談は失敗した。北朝鮮は核を諦めないだろう。それでもトランプ氏が非核化と引き換えに、コスト面でも不満の高い在韓米軍を撤収する可能性がある。THAAD(韓国内の米軍基地に配備されている高高度ミサイル迎撃システム)も消える。もっとも喜ぶのは中国であろう。在韓米軍が消え平和協定が結ばれると、朝鮮半島の統一で親中・反日の連邦政府が誕生する可能性が高くなる。すると、日本の防御線は朝鮮半島軍事境界線から対馬海峡まで南下することになる」と主張しました。
北朝鮮に向けられていた韓国の軍事力(F-15ストライクイーグルなど)が日本に向けられることもあり、西日本全体が敵勢力の脅威圏にさらされることになり、日本は非核三原則の国民的レベルでの議論、さらなる『活米(米国に追従するのではなく、米国の関与を積極的に引き出すこと)』を行う必要があるというのです。
https://www.sankei.com/politics/news/180612/plt1806120001-n1.html
専門家二人が、一人は「対馬海峡が軍事境界線になるなんて妄想は捨てろ」と言い、もうひとりは「防御線が対馬海峡まで南下する」と注意喚起をしています。
完全に真逆の内容なのに、なぜか自然に見えてしまいます。なぜなら、韓国と日本だからです。
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