「死重苦」・・青年創業、55.3%が2年内に廃業

韓国の自営業が苦しい状態にある、というのはもう何年も前から指摘されてきました。

簡略に書きますと、ベビーブーム世代の引退(引退が日本よりずっと早い)やIMF期の大量失業などもあって引退者が増えたけど、年金などはまだ一般的ではなく、それまでは「買っておけば勝手に上がる」と信じられていた不動産価格の上昇も止まりました。社会構造の変化と、韓国の経済成長そのものが鈍くなったこともあり、それまで「最高の老後投資」でもあった「息子を出世させる」こともできなくなりました。つか、親を扶養すること自体が珍しくなりました。

そこで、退職金を使って自営業、自分の店をやるしかなくなった・・でも、適当な準備で自営業を始めて、それがうまくいくはずもなかった。この涙なしには読めないストーリーが、韓国自営業ピンチの大きな理由です(別に理由はこれだけではないでしょうけど)。

 

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いくつかの苦しいことが重なると、韓国でも「二重苦、三重苦~」という表現を使います。ですが、世界日報が、その自営業のことで、(四重苦と発音が同じことから)「死重苦」として記事を書いています。

 

<・・退職後、自営業者に飛び込んだ40〜50代の生計型自営業者(※主に宿泊業や飲食店などになります)たちが借金抱えたまま次々と扉を閉めている。

自営業者危機は常に存在したが、最近は危機がさらに上がっている。なかなか回復しない内需と急騰する賃貸料、各種手数料などで苦しんでいた自営業者に、最低賃金の引き上げが決定的なダメージを与えた。自営業者たちは「死重苦」に苦しんでいる・・

・・自営業危機の出発点は、「供給過剰」である。 40〜50代の退職者があふれているが、これらの中で新しい仕事を得る人はごく少数。国民年金受給まで10年以上を堪えないといけないのが現実。それまで耐えても、実際に受けられる年金額は不足している。昨年、国民年金受給者月平均支給額は36万8000ウォン(約3万7千円)にとどまった。退職金を使って「チキン屋」を始める退職者が増えている理由だ・・

※韓国のチキン屋(フライドチキンなどを配達する店)の数は、世界中のマクドナルド店舗数より多いと言われています

・・金融監督院と統計庁などによると、2016年自営業の60%の年平均所得が4000万ウォンを超えることができなかった。 20%は年1000万ウォンにも及ばなかった。自営業者の3年生存率(※店を3年以上続けられる確率)は、2010年40.4%から2015年37.0%に落ちた。

自営業に飛び込んだ青年たちの状況も同じだ。韓国雇用情報院のレポートを見ると、昨年の青年(23~37歳)の企業経営持続期間は平均31ヶ月に過ぎなかった。創業後2年もたたず廃業する場合は55.3%に達した・・>

https://news.v.daum.net/v/20180812180718972?d=y

 

勤労者の中の自営業者比率は、韓国が25.5%(韓国は企業の雇用創出が低く、伝統的に自営業が多い国でした。これでもかなり減ったほうで、一時は40%近くまで上がったこともあります)。日本は10.6%だそうです。

こうして考えると、韓国の左派・・文大統領とかが考えている「最低賃金引き上げ」は、本当に誰のためのものなのか、わかりませんね。弱者のためといいつつ、弱者を苦しめているようにしか思えません。

しかし、本当に最近「青年」関連で良い話が何もありませんね。

 

 

 

 

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