アリス・ウィートン氏は、看護師として働いた経験から、怒りや憎しみを捨てて心の平和を求めるべきだとする、多少は宗教的なカウンセリング本を書いた人です。韓国語版ではありますが、氏の「The Forgiveness Prescription(韓国では『許し』というタイトルです)」という本を読んでみると、こんな話が出てきます。
「人々が持っている『怖い』の中でもっとも多いのは、自分自身が拒絶されることへの恐怖です」。
「私が他人から(友人、上司などから)拒絶されたらどうしよう」と心配しすぎで、漠然な「恐怖」を作り出しているというのです。
韓国語版では「拒絶される」となっていますが、私は「拒絶される」より「嫌われる」のほうがもっと自然な訳のように思いました。
そして、それらの多くは無駄な心配にすぎないとしながら、アリス・ウィートン氏はこうアドバイスします。「Yesという返事だけを期待しすぎるより、Noという返事も受け入れられるようになりましょう」。
本はこれを、「万人から肯定だけされる自分でなくても、そんな自分を許してやろう」という趣旨で書いています。そして、そんな自分になった時、もっと多くの人生のチャンスを経験するようになるだろう、とも。
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そのくだりに、こんなたとえ話が出てきます。「狭い洞窟だけがこの世界の全てだと仮定してみます。貴方はその洞窟の中で暮らす部族の1人だと仮定します。部族全員が、誰か1人を拒絶して「あいつを洞窟の外に出せ」と言うなら、その人は洞窟の外に追い出され、死んでしまうでしょう。そんな狭い世界なら、あなたは自分を守るために、他人から拒絶されることを恐れるのが当然かもしれません」。
もちろんこのたとえ話は、「しかし、私たちが暮らしている世界はそんなものではありません。あなたが恐れている拒絶も、実はそこまで恐れる必要が無いのです」という趣旨を伝えるためのものです。
アリス・ウィートンさんは何気なく書いたかもしれませんが、私はこの洞窟の話を、どうしても韓国社会と似ていると思わずにはいられません。
「なぜ謝罪しないのか」→「なぜ公開謝罪しないのか」→「なぜ謝罪に真正性が無いのか」→「それが謝罪か(そんなものは謝罪じゃない)」→「なぜ謝罪しないのか」。これは、韓国社会にある「謝罪要求」のよくあるパターンです。
日本に対しては毎日言ってますが、それほどじゃないにせよ、韓国社会の「内」でも同じです。
これは、「自分が嫌われることに耐えられない」とする韓国人の心理とも、通じているのではないでしょうか。「嫌われないために、全員が誰か1人を嫌うべきだとする」、恐ろしい洞窟です。
亡くなったジョン・マケイン氏が残した言葉の中に、こういうのがあります。「勇気とは、何もかも怖くないというものではない。怖くても行動できるものこそが勇気である」。
https://news.v.daum.net/v/20180902050004939?d=y
許さないのは、許される勇気が無いからではないでしょうか。誰かを自分より下にしたいと思うのは、自分のありのままの姿と向き合う勇気が無いからではないでしょうか。
「なぁに、嫌われることだってあるさ」と認めること。それを、自分自身の心への「許し」、自分への愛の表現とするなら・・・韓国・韓国人をもっとも「許せない」としているのは、その韓国・韓国人そのものだと言えるかもしれません。
たまに出てくる、シンシアリーのブログ「長い雑記」でした。
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