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最近、韓国社会では、「孝道契約書」というものが話題になっています。そのままの意味で、親が子に財産を贈与してやる(生前に相続させる)条件として、子の親孝行を契約として強制できるようにしておくことです。
取材した記事にもよりますが、大手法律事務所の場合、財産の贈与関連で法律事務所に来た高齢者の30~40%は孝道契約書の作成を贈与の条件にする、とも。
しかも、ここが特に問題ですが・・単に「親孝行します」と書いただけでは、契約書としての、いわば法律的な効果は期待できません。かなり細かく書かないと意味がありません。
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「1ヶ月に小遣い(親の生活費)を〇〇万ウォンずつ差し上げます」、「同じ家で扶養し、アンバン(もっともいい部屋)を親が使うようにします」、「年◯回の旅行費用を出します」など、かなり細かく書かないといけません。
なぜなら、単に「親孝行します」だけでは、どこからどこまでが親孝行なのか確かではないからです。
欧米の一部の国にも「親が贈与した財産を取り消し(親に返す)」できる法律ならありますが、それは、子が親に対して明らかな背徳行為か犯罪行為があった場合にのみ、適用されます。
ここまで細かく書いてそのまま守ってもらうなんて、どこにもこんな契約が流行る国はありません。
<生きている親と子の間に、「孝道契約書」を書く時代になった。高齢者に関する問題を耳にするのはもう珍しいことでもないけど、孝道契約書という言葉まで出てくるとは、私たちの社会の断面図を見ている気がして悲しい限りだ。『成れの果て』の社会の姿なのだ・・
親と子は、お金のために「甲と乙の関係」になったり、裁判所で原告と被告として会うこともある。だから親は財産を担保に、子に親孝行を要求し、子は財産目当てに親を世話する。しかし、孝道契約書を書いたところで、真の家族の意味が取り戻せるはずもなく、親が子を扶養問題で告訴する件が後を絶たない・・
・・日本は高齢者問題を迅速に認識し、高齢者たちが社会から疎外されないように政策的に支援してきた。自分の日常生活を維持することができない人のために実施する介護の保険である「介護保険」制度で高齢者の家族の負担を軽減し、社会のいたるところに高齢者のための細心の配慮と快適さを提供する・・>
カトリック平和新聞、社会福祉評論家「ホン・ジン」氏の寄稿文より
http://www.cpbc.co.kr/CMS/newspaper/view_body.php?cid=729023&path=201807
甲乙というのは、確かに契約書の表記ではありますが、韓国では『上下関係』の皮肉としても有名です。孝道契約書って、ひょっとすると、上下服従契約書かもしれませんね。さすがに、そこまでは考えたくありませんが・・そう見えてしまうのも事実です。
忠孝を最高の美徳とする!と騒いでいた韓国社会(私はそう言われながら育ちました)。忠は崩れ、孝は契約書頼みとなりました。
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