韓国語の語彙について

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ゴイスレです。語彙関連の内容がありますので、苦手な方はご注意ください(笑)※

 

ずいぶん久しぶりな気がしますが・・翻訳エントリーとなります。たまに引用する「韓民族文化大百科事典」がソースになります。

最近は「ハングルの優秀さ」に反論するのはタブーとされているため、「韓国語から漢字を除いてもいいのか」をちゃんと考察できた資料がそうありません。韓民族文化大百科事典のこのページは、80年代に書かれた学者たちの本をソースにして作成されたものであり、いまよりはマシな内容が書いてあります。少なくとも無条件優秀~とりあえず優秀~日本が~日本が~な内容はありません。

韓国語の語彙に、外来語、特に漢字がどのような影響を及ぼしていたのか、80年代の考察を垣間見ることもできるでしょう。また、(※~)の部分は私が入れた自分なりの注釈となります。原文にはありません。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

・韓国語の語彙

他の言語の場合と同様に、国語の語彙も固有の要素と外来の要素によって形成されている。ところが、まだ国語の起源と系統の研究が不十分なのが現状で、どんなものが固有の要素であり、どのようなもの外来の要素なのか、明確に区別することは不可能である。ただし、明らかに外来要素であるとわかるものもあり、多くの資料が外来要素であることが既に明らかになっている。

言語の階層構造で最も外来要素の侵入が容易なのが語彙だ。韓国語の語彙形成に関与している外来の要素は、固有の要素を凌駕する。古い統計数字だが、ハングル学会«大辞典»の分析を見ると、純粋な国語が7万4612項目、漢字語が8万5527項目、外来語が3,986項目である。漢字だけで52.1%に達し、他の外来の要素が2.4%で、合わせて54.5%が外来資料と関連している。光復以後、欧米諸国をはじめとする世界各地域との外交的な関係や文化交流の結果、現代語には数十の種族の言語が借用されている。

 

・韓国語の語彙体系の特徴

①漢字語、その他外来語の流入のせいで、類義語が多くなった。特に、漢字語の影響が大きい。類義語の発達は、表現伝達の明確さを損なう点で問題になることもあり、表現性の豊かという見方ではむしろ好ましい現象である。文体論的な価値のために適切に使用することができる。

②漢字の影響で同音異義語が多くなった。これは、言語活動で同音の規則的な配列によるリズムを構成するのに利用されるものの、それよりは同音による混乱が問題になるので、良い点より良くない点が多い。漢字語の欠点を暴こうとする人たちがもっともよく取り上げるのが、この同音異義語である。

 

③韓国語では敬語法が複雑に発達している。その一例として、2人称代名詞を例えば「너、 자네、 그대、 당신、 어르신네(※日本語にすると、お前、君、そなた、あなた、貴方様など)」などがあり、様々な差等を置いて使用される。また、名詞に「様」を付けて「お父様、お母様、先生様、兄様、姉様」とし、さらには「弟様」とも呼ぶ(※親族関係で、自分より年下だけどあまり会ったことが無い人などに対してこう言います)。漢字語は敬語法の発達に大きく影響を及ぼしている。概ね、単一類義語群があるばあい、固有語より漢字語が敬意を表する言葉として使われることが多い。例えば、「イパル(歯の固有語)」よりは「チア(歯牙の韓国語読み)」、「スル(酒の固有語)」よりは「ヤクチュ(薬酒の韓国語読み)」が敬意を示す言葉になる。

④固有語と漢字語が類義な構造を形成しており、敬語法、上品な言語の使用に関連して、どちらかを適切な選択するかでいくつかの意味や表現の効果を表す。概ね、漢字語が上品で敬意を表する言葉として認識されている。アビ、アボジ、アボニム、ガチン(家親)、オムチン(嚴親)、ノチン(老親)、チュンブジャン(椿府丈)、マンブ(亡父)、・ソンチン(先親)、ソンゴ(先考)などがある。漢字語ではなく、固有語のほうが、卑属な言葉、悪口などによく使われる傾向がある。

 

⑤擬声語・擬態語などの音声象徴の発達が目立つ。象徵語(擬音語・擬態語)の発達はほぼ固有語の要素に依存している。母音と子音の対立を利用した変化表現が豊富で、ここでも類義性が表れる。すなわち、語彙の豊富な表現性に貢献している。

⑥固有語は、概念語としての適性が漢字語に比べて弱い。また漢字は造語力が強く、学術用語やその他の専門用語は、一般的な用語にいたるまで漢字語が増加し続ける傾向にある。「文化語は漢字語だ」という言葉が、これに起因する。

 

⑦基礎語彙は固有語の体系が発達している。漢字語がある場合でも、漢字語ではなく、固有語が一般的に使われる。 「スムスィダ(息をする):呼吸する」、「スィダ(休む):休憩する」、「ヘ(日):太陽」などは、固有語に対応する漢字語がある例で、「マルハダ(話す)」、「ダル(月)」、「ビョル(星)」などは、同じ意味を持つ漢字語がない例である。 「ダル」に該当する「ウォル(※月の韓国語読み)」や「ビョル」に該当する「ソン(※星の韓国語読み)」などは、他の漢字と組み合わせて漢字語を形成する形態素であるだけで国語の単語ではない。

※無理やり日本語に変えて文章を再構成してみると、こうなります。<「ほし」に該当する「せい(星)」は、他の漢字と組み合わせて漢字語を形成する形態素であるだけで国語の単語ではない>

 

⑧親族名称で、上に祖父の代、下に息子の代までは固有語があるが、それ以外は漢字語に依存している。遠い世代、複雑な関係ほど、漢字語だけである。

⑨体言が「格」によって形式が変わらない。だから外国語からの外来要素を借用することが容易である。外国語で動詞や形容詞を入れ込み、名詞ないしは動詞や形容詞の語根に利用したり、特定の資格を持つ体言を入れ込んで格を無視して使用できる。これが、どの言語からも簡単に言語資料を借用できるようにする要因となる。

http://100.daum.net/encyclopedia/view/14XXE0036136

 

さて、いうまでもなく、この韓国語体系から、漢字の部分が「音」だけを残して消えたわけですが・・本内容のレファランス(参考文献)は1969~1982年に作られた書籍や報告書であるため、漢字廃止については言及されていません。

 

 

 

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