親日刑事と嘘の英雄

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本ブログで2回取り上げたことがありますが、キム・ウォンボン(金元鳳)という人がいます。大ヒットした映画などで「凄い抗日闘士」で描かれ、比較的最近になって抗日英雄化された人物です。

実は親北・社会主義者で、一角では「朝鮮戦争の開戦にも関わっている」と言われている人ですが、それでも文在寅政府は彼を「抗日だから国家有功者にする」としていて、「反日(抗日)なら親北は問題ない」とする動きの、ある意味では象徴的になっている人物でもあります。

原爆がなかったら、キム・ウォンボンが日本を滅ぼしただろう」と平気で記事が載る、そんな雰囲気ですから・・「光復軍(言い換えれば臨時政府そのもの)は何もしたことがない」という歴史を修正するためにも、韓国は光復軍の副司令官だった彼を英雄化しないといけないのかもしれません。

ですが、やはりというかなんというか、彼にまつわるエピソードが、どうも疑わしいものであることがわかりました。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

まず、韓国では「外国人が書いた本に、日本がキムウォンボンをスゴク怖がっていたと書いてある!」ということになっています。

確かに米国人ジャーナリスト「ニム・ウェールズ」が書いた『アリラン』という本に、キムのことで、こんな話が出てきます。「己未年(1919年)以降、親日派と日本官憲、日本の帝国主義者に最大の攻撃の対象であり、私のような20代前後の若者たちには、祖国解放の象徴的存在であった」。

しかし、これは、ニム・ウェールズが中国であったキム・サンという朝鮮人の話です。ソース記事はキム・サンを「独立運動家ではあるが、共産主義者だった」としています。『アリラン』にはこの陳述がそのまま書き写してあるだけです。

 

もう1つ、韓国ではキムウォンボンが北朝鮮側についた理由として、「親日派のせいだ」ということになっていますが・・この部分は、記事から引用してみます。

<金元鳳が親日刑事ノ・ドクスルに逮捕され、頬を叩かれ、拷問され、3日間も号泣し続けたという話は、解放後、独立闘士たちの悲劇的な運命を示す象徴的なエピソードになっています。一部では親日刑事の独立闘士弾圧が金元鳳の越北の理由の一つだとも言います。

ところが、この話は本当かどうか不確かです。金がノ・ドクスルに逮捕されたという記録はあります。ところが、頬を叩かれたとか、拷問されたとか、号泣したなどの内容は、どこでも見つけることができません・・>

https://news.joins.com/article/23440159

この話、初出が1987年の月刊誌だそうです。

この人、ある意味、韓国の歴史・・というか「歴史観」を象徴しているのは事実かもしれません。私たちに有利な歴史が無ければ、作ればいいではないか。いつもの歴史観のことです。

 

 

 

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