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1928年3月29日の東亜日報に、東亜日報が独自で計画していた「文盲退治」キャンペーン関連の記事が載っています。このキャンペーンのため、無数のポスターと、少年軍数千人の行進、飛行機からのビラ散布などを計画していた、とも。でも、このイベントは警務局によって中止となります。その理由は、「ポスターが共産主義っぽい」「少年軍の行進って、何考えてるんだお前ら」などなどです。東亜日報もこれらの理由を紙面で説明し、中止に同意した、期待してきた人たちに申し訳ない、と書いています。
ですが、その中に、こういう内容が見えます。「朝鮮の中の8割の人が、文の盲人さんである」。ここでいう「文」とは、国文(ハングル)のことです。
(ここから「続きを読む」の後になります)
いくらなんでも8割はないだろう、と思ってもう少し調べてみたら、韓国統計庁に、1930年の国勢調査データが残っていました。デジタル化されています。
http://kosis.kr/statHtml/statHtml.do?orgId=101&tblId=DT_1IN3015&conn_path=I2
リンクしたページはその中から1930年の識字率調査ですが、かなり見づらいので、まとめてみます。識字率の話ですから、以下、全て「6歳以上」だけです。
・調査人数の中で、朝鮮人は計16,582,521人。男8,445,891人、女8,136,630人
・その中で、「カナ(日本語)」と「国文(ハングル)」両方が読み書きできる人は:1,387,276人(8.36%)。男1,195,461人、女191,815人
・カナだけ出来る人は:6,297人(0.04%)。男5,070人、女1,227人
・国文だけ出来る人は:3,156,489人(19%)。2,551,077人、女605,331人
・カナも国文も出来ない人は:12,032,540人(72.5%)。男4,694,283人、女7,338,257人
なんと、本当に字の読み書きが出来ない人が、7割は超えていたようです。こんな話をすると、「日帝時代に朝鮮人の識字率は低かった!ハングルが弾圧されたからだ!日本は悪い!」という展開にしたがる人たちもいるでしょう。でも、新聞そのものがちゃんとハングルで書いてある時点で、説得力がありません。それに、併合前にちゃんと字が読める状態だったなら、1928年に「8割が非識字」と言われることはなかったでしょう。むしろ、1930年に8%以上の人が「日本語も朝鮮語も出来る」というデータのほうが、凄いのではないか、とも思えます。
私は、こう考えています。「1920年代に8割が非識字者なら、朝鮮時代っていったいどれだけ非識字率が高かったのだろう」。朝鮮時代の「識字率」に関するデータは、これといってありません。朝鮮時代にはそもそも人口調査データすらちゃんと残ってないので、識字率の調査などは無理だったことでしょう。
たまに、こんな主張を目にします。「朝鮮末期にもっと有能な王がいたなら、日本ではなく朝鮮が先に鎖国をやめ、強大国になったはずだ」。中には、「南北分断も無かったはずだ」「朝鮮民族は争いを嫌うから、日本のように侵略戦争を起こすこともなかっただろう」など、異世界を扱ったライトノベルみたいな内容もよく出てきます。もちろん、ほとんどはネット掲示板や個人ブログの話です。たまに新聞記事や寄稿文などで、真顔で同じレベルの話をする人もいますけど。
じゃ、もし朝鮮末期に、朝鮮の指導者たちが、とつぜん謎の進化を遂げ、外国の文物を成功的に取り入れたとしましょう。仮定なら何でもできます。釜山港に実物大ガンダムがあったとしても構いません。じゃ、それで朝鮮が凄い国になれたのでしょうか。私は、まず無理だと思っています。
突っ込みどころが多すぎで一々考えると疲れそうですが、「識字率」もその1つです。
外国の文物だろうが何だろうが、それが「日本」で再構成、再創造できたのは、「日本語の力」無しには語れません。外国との交流のもと、日本には多くの新しい日本語が生まれました。その日本語があったからこそ、日本は外国の文物を受け入れ、それについて考え、再構成し、日本に合わせることができました。一部の偉い人たちだけが「字が読める」社会では、それは不可能です。司馬遼太郎の「明治という国家」によると、江戸幕府の識字率は、いわゆるサムライ以外にもかなり高く、都市では70%を超えていました。
朝鮮で、字が読める、新しい文物についていくための情報を「字」によって得られた人は、どれぐらいいたのでしょうか。特に、「意味」を強調する漢字がちゃんと読める人は、どれぐらいいたのでしょうか。
それが、日本と韓国の絶対的な差の1つであった・・と思う、今日この頃であります。
※明日(9日)は、一日中留守にします。更新は多分、夜遅くになります※
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