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チュ・ミエ法務部長官と、検察の検事(検察内掲示板の投稿者)が、なぜか日本が~としながら論争する場面がありました。たまに話題になる、『日本では起訴されたらほぼ間違いなく有罪』な件について、です。検事さん曰く、『多くの先進国で、日本のこの高い有罪率(低い無罪率)は研究テーマだった』としながら、時論を展開しています。でも、よく読んでみると、なんか全然話の辻褄が合いません。いったい何があったのか、ちょっとまとめてみます。
検察改革とか何とかで、検察人事権を乱発している法務部長官、チュ・ミエ氏。彼女が、最近、『検察を、捜査と起訴それぞれのパートに分けるべきだ』と主張しました。そうすることで、人権的にも客観的にもいろいろよくなる、というのですが、その根拠にしたのが、「日本はこの制度のおかげで無罪率が低い」です。
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すると、元最高裁判官の息子でもある現職検事さんが、検察内部の掲示板に「それは違う」と反論しました。
<・・「日本は主要先進国に比べ無罪率が非常に低く、0%に近い理由が何なのかについては、これまで多くの研究があった」と述べた。主要先進国の無罪率を見ると、米国(連邦裁判所基準)の2009年無罪率は9.6%、フランス(重罪裁判所基準)の2009年度無罪率は9.7%、ドイツの2011年1審無罪率は23.5%である。
チャ検事(※投稿者)は「学界などの大体の評価は、いわゆる「精密司法」という日本の消極的起訴慣行によるものだと理解している」とした。チャ検事は、「日本の検察は、本当に確信がなければ起訴しない高い精度の司法を追求しているが、その結果、合理的疑いがかかるだけではなく、本当に100%有罪を確信しないかぎり起訴しない傾向が見られる」とし、日本の検察の起訴猶予率が全体の事件処理の割合の65%に達しているとした。彼はこのような日本の検察の慣行が、最終的に裁判所を「有罪確認場所にする」という批判を引き起こしたと指摘した。「日本の検察の権限の肥大化、検察の過度な裁量権行使は、司法の役割を弱体化させるという指摘が生じた」ということだ・・(朝鮮日報より。URLは下に書きます)>
裁判所は有罪の確定を問う場所でも別にいいじゃないか・・な気がします。少なくとも日本の司法が、(韓国みたいに)国際条約を台無しにしたことは無いし。で、それはともかく・・以下、ツッコミタイム、入ります。
まずチュ長官ですが、「日本もこの制度を導入して無罪率が低くなっている」としていますが、聯合ニュースTVによると、特捜部がある東京、大阪、名古屋地検には「総括審査検察官制度」というのがあって、特捜部の事件に対して諮問意見を提出することができるそうです。チュ長官が言った「日本にも同じ制度があって~」というのは、どうやらこれのようです。ですが、それと「捜査と起訴のパートを分ける」は全然違う話でしょう。それに、日本に「総括審査検察官制度」を始めたのは平成23年からです。その前から日本の無罪率は低かったでしょうに。
次、チャ検事ですが、韓国の無罪率も世界的に見てものすごく低いです。2015年基準で、0.58%です。韓国は告訴告発も無茶苦茶多い国ですが、起訴率がものすごく低い(殆どは起訴の条件を満たさずに告訴するものばかり)国ですから。0.58%の韓国が、「無罪率が低い」で日本の検察を肥大化、司法を弱体化だと批判してどうしますか。韓国の検察と司法の問題は、政府や国民感情の顔色に合わせて起訴したり、有罪にしたりする点です。日本の「精密司法」や「本当に確実なときだけ有罪」には、とうてい及びません。というか、日本は関係ないのに、なんで検事と長官が日本は~としながら喧嘩しているのか。わけがわかりません。
以下、参考・引用したソース記事です。
KBS(https://news.v.daum.net/v/20200211193322254)
朝鮮日報(https://news.v.daum.net/v/20200217171457445)
聯合ニュースTV(https://news.v.daum.net/v/20200212152622470)
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