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いつものことですが、ここでいう「基督教(キドクキョウ)」とは、韓国のキリスト教・新教(プロテスタント)のほうです。
さて、今日はまた雑談ということで、なんで韓国のキリスト教だけがこんなに民族主義が強いのか、について綴ってみます。
もともと、基督教は民族主義とは相性が悪い宗教です。もともとイエスが2000年前のユダヤの指導者たちに嫌われた理由が、『ユダヤ人って、自慢するようなものではありません。神様は、小石をアブラハムの子孫(ユダヤ人)にすることも出来ます』と話すなど、神の救援はユダヤ以外の他民族でも手に入れることが出来るという趣旨を教えていたからです。
だから、ユダヤ教では今でもイエスをキリスト(救世主)だと認めていません。
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にもかかわらず、世界で唯一、キリスト教が「うちは民族主義宗教だ」と自慢する国があります。韓国です。この視点に対しては、韓国内でも「キリスト教的に危ない考え方だ」とする声が上がっていますが、流れは変わっていません。
中には、「韓国人こそが、ユダヤ民族に出来なかった使命を果たす真の選ばれし民族だ」という話をする牧師もいます。結構大きな教会でした。
キリスト教が良いか悪いか、民族主義が良いか悪いか(キリスト教も民族主義も、韓国のものはどこか歪められていますけど)を別にして考えてみても、これは矛盾です。「キリスト教的に見ておかしい」ことをここまで積極的にやっている理由は何でしょうか。それは、「日本が悪い」のおかげです。
基督教神学者でもある白石(ペクソク)大学のイ・サンギュ教授は、2019年の「教会と国家」というセミナーで、このように話しました。
「韓国の基督教は、日本帝国主義と戦うために、神様によって韓国(以下、朝鮮)に来た」、「当時の朝鮮は、民族の魂を守りながら欧米の文化を受け入れようとした。そのために朝鮮に来たのが基督教だ」、「基督教は抗日闘争のための力を必要とする朝鮮の民族主義に必要だったし、基督教は朝鮮に欧米の文化を与えた」・・
似たような話を、他にもよく耳にします。確か、ソウルではなく別の都市にある純福音教会で聞いた教会演説では、この現象を「キリスト教的民族主義」(Christian nationalism)と呼んでいたし、米国でも活動している韓国の神学者キム・セユン教授は「韓国では、キリスト教が民族主義と結婚した」としています。
キム教授が書いた「基督教と韓国文化」という論文、「基督教と民族主義」章には、こんな内容があります。
「基督教と民族主義の結合は、1910年から1945年に至る、日本の残酷な植民地占領期間にさらに加速された。クリスチャンは独立運動に主導的に参加し、全国の教会とキリスト教の学校を独立闘争の拠点として活用した。彼らに強要されている、日本の神道崇拝と戦いながら、私たちの国のクリスチャンは偶像を崇拝する異邦勢力との聖戦をしていると考えた。彼らは韓国と聖書の中のイスラエルを同一のものと見て、自分の民に信頼できる姿を見せた神様の姿を記録した聖書、 出エジプトとバビロン捕虜帰還、ダニエルとヨハネの黙示録 から、慰労と力を得た。
このように韓国と聖書のイスラエルを同一視する大多数韓国クリスチャンの大衆神学は、共産主義の迫害を受けていた期間を経て、今日も受け継がれている。そして国の福祉のために熱心に祈り、国家の利益を侵害する外勢に対抗して戦う。1960年代、韓日国交正常化に反対したり、日本不買運動が広範囲に起きたり、不公正に見える米国の貿易政策に反対する運動が起こっていることが、その良い例である」
面白いのは(面白くないけど)、北朝鮮もまた、普通なら相性が悪い「社会主義」と「民族主義」が一つになっています。これは何故か?私は、こう思っています。
韓国(朝鮮半島)の民族主義は、ただの「根拠のない選民思想」です。自分が一番偉いとするものにすぎません。その選民思想が、適当に名分に出来るもの(キリスト教、社会主義)を飲み込んだのではないでしょうか。その結果が、『ウリスト教』と『主体思想』である、と。
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