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また雑談になりました。いままで本ブログでは『キム氏』は微妙だけど『キム◯◯氏』とフルネーム+氏で呼ぶのは尊敬表現として間違っていない、としてきましたが・・どうやら、かなり微妙になっているようです。もう、『氏』はあまり使わないほうがいい、と思いました。
人を呼ぶときによく使う「~さん」。その「さん」にあたいする韓国語が、いよいよ「消えた」と思ってもいいじゃないかな、な気がします。「さん」にあたいする韓国語は、「氏」になります。「シ」ですが、実際の韓国語での発音はとても強く、SではなくSS発音になります。
もともと氏の使い方は、韓国でも、日本と大差ありませんでした。でも、高度経済成長期を過ぎながら、私的な雇用人、例えば自分の庭師や運転手に、キム氏、イ氏など、「◯氏」と呼ぶことが多くなりました。それはもともとはそう悪い意図ではなかった、とも言われています。自分の雇用人とはいえ大人だから、「氏」をつけて礼儀を示していたのだ、とも。
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しかし、いまだ甲乙横暴が続いている韓国。「下」の人たちを見下す風潮は当時も変わらず、姓氏だけで「◯氏」と呼ぶことは、人を見下す表現だという『社会の共通認識』が広がりました。文法が変わったわけではありません。いまでも「氏」は韓国語の文法的には、れっきとした尊称です。
それでも、人の名前をフルネームで言って、例えば「キム・カドン氏」「イ・ヨンア氏」というふうに呼ぶのは、尊称を使った表現として、かろうじて生きていました。実際、記者が警察などが仕事として人と話す時には、尊称として「氏」を使います。
しかし、私が『かろうじて生きている』と思っていたのも、また古い世代の認識にすぎないのようでして・・
去年10月、KBSの番組で日本人記者が「文在寅氏」と言って問題になってから、「文在寅氏は韓国でも尊称なのに、なんでここまで騒ぐのか」と思ったことがあります。もちろん「日本人がそう言った」というのが一番の問題でしょうけど、それから韓国側のネットをいろいろ読んでいるうちに、個人的に、「ああ、これ・・もう『氏』は使わないほうがいいな」という結論になりました。もう韓国語を使うこともそう無いでしょうけど。
もはや、「それも尊称だ」と主張するほうが、嘘つき扱いをされるようになっています。相手を「◯◯◯氏」と呼んだだけで喧嘩になることも珍しくないようです。
「氏」を使わないなら、日本語でいうと、「~さん」という表現が無くなるのと同じです。じゃ、何が残るのか。「様(ニム)」と「呼び捨て」だけが残るでしょう。ある意味、韓国社会の『二極化』を象徴する現象なのかもしれません。息苦しいものですね。「第三の選択」がここまで嫌われる社会は。
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