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例の怪獣大戦場、『戦場』の範囲が拡大しつつあります。そんな中、一部のメディアが、『イ・ヨンスは慰安婦ではないという話が出てきた』と報じています。本ブログのコメント欄でも2~3回同じ内容が指摘されており、韓国でもネットの一角で同じ話が話題になっています。
「何を今更。随分前から怪しかったよ」と言ってしまえばそれだけですが、本当にそういう話が韓国内で出てきたのでしょうか?2つの見方が出来ますので、両方合わせて紹介します。
まず、発端は、本件に対するユン・ミヒャン氏の発言(フェイスブック)です。『毎日経済』に全文を紹介した記事があるので、問題の部分を直訳してみます。
<・・今日も私は、このように、消極的に私の考えと心を込めた文を乗せるかしかありません。対応しなければならない相手が、被害者だからです。1992年にイ・ヨンスさんから申告電話(※慰安婦被害者から報告を受けていたときの電話のこと)を受けたとき、私はオフィスで電話を受けましたが、とても小さな声で震えながら「私は被害者ではなく、私の友人が・・」と話していたその時の状況を、昨日のことのように覚えています。それからほぼ30年を一緒に歩いてきました・・>
https://news.v.daum.net/v/20200508111802973
(ここから「続きを読む」の後になります)
この引用だけ見ると、「自分は慰安婦だと言うのが恥ずかしいから、友だちがそうだと言っただけ」という、当時を回想しながら『そうだった人が、いまは私を攻撃している』と、多少感傷的な表現になります。
しかし、別の解釈をしている記事もあります。『イ・ヨンス氏に対する、何かの圧迫ではないのか』という見方です。言うまでもなく保守系列(ユンミヒャン氏が左派国会議員に当選したこともあるので)からで、ここからは朝鮮日報の記事を部分引用します。
<・・(※イ・ヨンス氏からの批判に対して)ユン・ミヒャン氏は「(30年前)、イ・ヨンス氏の最初の電話は『私ではなく私の友人が・・』だった」とし、まるでイ・ヨンス氏は慰安婦出身ではない可能性があるような反応を見せた。過去を振り返るようにしながら、イ・ヨンス氏を狙ったのだ。
正義記憶連帯と市民党も「1億ウォンずつイ・ヨンス氏に差し上げたし、イ氏もちゃんとお金を受けた」、「イ・ヨンス氏の記憶が歪曲されている」「心身が脆弱な状態」と反論した。イ・ヨンス氏が認知症にかかったと言っているようなものだ。
イ・ヨンスさんは米議会で被害事実を証言して慰安婦決議案採択に決定的な役割をした人物である。ムン・ジェイン大統領はイ・ヨンス氏を韓米国賓晩餐に招待し、与党側の人たちは相次いで彼女の物語を描いた映画を見て認証ショット(※その映画を見たという証拠写真)を残した。
ユン・ミヒャン氏も、過去30年間、慰安婦市民団体の看板として活動し、イ・ヨンス氏のおかげで総選挙で与党比例代表の上位順番を受けとれた。慰安婦イシューの前面で手足を合わせてきた二人が、お互いに「国会議員になるために私を利用した」「高齢だから記憶が曖昧」としながら攻防を繰り広げる状況が起こったのだ。内部で、いったい何が起こったのか・・>
https://news.v.daum.net/v/20200509032637325
記事そのものは、相変わらず、慰安婦問題そのものではなく、政府批判のものです(慰安婦問題に対しては一切の批判がない)。ただ、こういう視点、『あの発言は、イ・ヨンスを黙らせるために狙い撃ちしたものだ』・・すなわちイ・ヨンスは慰安婦ではなく、ユン・ミヒャン氏もそれを知っていたとするニュアンスの文章。こういうのが韓国側の大手マスコミに載ったのは初めてです。
いまのところ、『ユン・ミヒャンが、イ・ヨンスは慰安婦じゃないと言った!』という主張は、明らかに拡大解釈されたものだと言えます。でも、この問題がどこまで広がるのか、そしてその中でどういう主張が衝突し、左右葛藤というブースターによってどんな「ボロ」を出すのか、これからも注目したいと思っています。
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