ちょっとだけ空気替えをしてみます。「道徳免許(moral self-licensing)」という言葉をご存知でしょうか。自分で自分に資格証(権利)を与えた人たちのことです。例えば、『私は人権を大事にする人だから他人の人権を制限してもいい』と思っている人たちのことです。
この現象と韓国の現状を繋げた記事を1つ紹介します。反日を叫ぶ人たちへの批判も入ってはいますが、読んでみると反日そのものへの批判ではなく、「私は反日を叫ぶ良い人だから悪さしてもいいよね」とする行動を批判する内容であり、記事そのものは親日でも反日でもありません。
どことなく、「『誰かを悪いと叫んでいるから私は良い人だ』と思い込んでいる」と韓国社会を説明してきた本ブログとも似たような指摘だったので、エントリーしてみました。以下、朝鮮日報の記事、本ブログとしては珍しく全訳です。
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<権力者のダブルスタンダードと偽善、『私がやればロマン、他人がやれば不倫』などは世界的な現象であり、各国から学術研究も色々出ている。2000年代以降、英米学界で偽善の心理を説明した最も説得力のある学説は、「道徳免許(moral self-licensing)」理論である。
米スタンフォード大・ボストン大などが確立したこの理論は、人々が他人よりも倫理的に優位にあると証明した後、自分自身に「道徳免許」を発行し、非倫理的な行動をしても大丈夫だと自分を慰め、補償を得るために利用するという理論である。例えば、熱心にダイエットした跡にアイスクリームを食べまくる行動、環境に優しい製品を買った消費者が汚染物質をたくさん排出する行為、性差別撤廃運動に寄付した企業が内部の女性の昇進を防ぐ行為、民主主義を掲げた政府が反対派を厳しく弾圧する現象など、様々な場面での矛盾と偽善を明快に説明してくれる。
米国で最近人気の「道徳免許」の乱用事例は、暴力化された人種差別反対デモだ。去る5月、黒人男性が白人警官の過剰鎮圧で死亡したのがきっかけだ。根深い人種差別を指摘する平和的デモには、誰もが頭を下げた。しかし、一部は、「黒人の命は大事だ」というスローガンの下、略奪、警察への攻撃を正当化した。治安の空白が大きくなって、ニューヨーク都市では(※記者は朝鮮日報ニューヨーク特派員です)銃撃事件が二倍に増え、その被害は別の庶民がかぶるしかなかった。デモ隊は、数百年前の奴隷制時代を審判すると言い、初代大統領ジョージ・ワシントンの彫像の首を切り、白人が慈愛深い姿で奴隷を解放したように描かれたという理由で、リンカーンの像まで引きずり下ろした。
「歴史を正しく立て直し正義を実現することだから、不法と暴力を容認しろ」という、極端な「道徳免許」の論理に、米国民の反感が高まっている。デモ隊が人種主義者だと非難したドナルド・トランプ大統領の支持率が、最近回復する傾向は、無関係ではない。
ムン・ジェイン大統領と与党の支持率が急落した時点で、光復会会長が「親日派断罪」を取り出した。反日は、日帝治下で生きたことも、独立運動もやったこともない現政権の人々が伝家の宝刀のように振り回す、究極の「道徳免許」になった。この「反日免許権者」は、子供を医学部にズル入学させでも、借名投資をしても、慰安婦寄付金を横領しても、秘書を数年間セクハラして法の裁きを避けても、不動産市場をダメにして自分たちの江南マンションだけ必死に守っても、それでも「親日残滓こそがより大きな悪である」と言い張る。
「反日道徳免許」で独裁政権を延命させたのは、北朝鮮が唯一だった。何百万人を餓死させ、殺し、政治収容所に入れ、世界史に残る人権抹殺行為を犯しても、彼らは確認もされていない100年前の金日成の抗日記録を前に出して「親日原罪の無い清浄民族国家」の幻想を注入する。韓国与党は、この詐欺劇を学んできたのだろうか(ソース記事:朝鮮日報、外部リンクにご注意を)>
韓国で道徳とは『ゆらぎのない上下の確立』。そう考えると、最高位価値である反日が道徳にかかわるのは当たり前かもしれません。保守派もそう変わらない気もしますけど。
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現在の最新刊は<「反日」異常事態(2020年9月2日発売)>です。アマゾンリンク(アソシエイト)となります。いわゆるK防疫として表出された、韓国の反日思想の本性である『卑日(日本を見下す)』とその虚しさについて主に考察しました。詳しくは新刊紹介エントリー(いつも本ブログ入り口ページの上から2番目に固定されています)をお読みください。他のシンシアリーの拙著については、書籍紹介ページをご覧ください。ありがとうございます。
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