ソウルには、タプゴル(塔骨)公園というところがあります。『バッカスおばあさん(高齢者売春)』が多いことで有名な場所でもあります。もともとは宗廟公園というところがバッカスおばあさんたちの主な舞台でしたが、そこは取り締まりが厳しくなって、塔骨公園が第二の聖地になってしまった、と聞きます。
さて、この公園、31運動が始まった場所として有名ですが、いざ日本側は31運動とかあまり気にしなかったようで、それからも公園として開放されました。そもそも、ここを公園として整備して開放したのが朝鮮総督府で、ソウルに初めて出来た公園でもあります。ソース記事にも同じ趣旨が書いてありますが、屋台とか、公園内でのちょっとした公演とかもあって、主に夏の夜の避暑地として人気でした。
この記事は、1921年6月23日、東亜日報が『公園の裏口を開放してくれないか』と総督府に頼んでみたところ、総督府が『いいですよ。夜に裏口を開けておくと不良な連中が入ってきて木の枝を折ったりするんですよ。もし記事になったことで市民意識が高まるなら、毎日でも開けましょう。椅子も新しいものにしますよ』と答えた、そういう内容です。よって、東亜日報は、『朝鮮人の市民意識を高めよう』としながら、ソース記事を載せました。1921年のソウル(京城)の風景、記事から覗いてみましょう。
<・・一日を働いて汗を流した京城の市民にとって、涼しくなる夜こそ、塔骨公園の青い水と緑陰を求めて疲れた頭と流れる汗を冷やす時である。これから木々の影が心地よくなる塔骨公園で、避暑に来た市民たちを慰安するために、京城楽隊主宰及び本社の後援で、来る30日から木曜の夜から始まって毎週木曜午後の8時半から涼しくも爽快な音楽を演奏し、一般市民にささげることとなった。もともと京城楽隊は経費にすごく困っており隊員の生活も困難であるが、特に一般市民を思う心ですべての不便と困難に構わずに演奏をしてくれるという。本社もまた楽隊の心に感謝するために経費を後援することにしたのである。一般市民がこれにより無料で爽快な音楽を聞くことになったのは、避暑する市民によって幸せなことになろう。
ここまでは別報と同じであるが、もともと塔骨公園の裏門は午後5時になると閉めてしまうものだが、本社では市民の避暑のために総督府の庶務部会計課用道係と交渉し、特に木曜日だけは午後11時半まで開けてもらうこととなった。これに対して用道係主任の川津さんは、「もともと公園とは市民のためのものではないか。毎日の夜に開放してもいいけど、最近午後5時に裏門を閉める理由は、不良輩どもが裏門から入ってきて花を折り木を毀損し、芝生を踏み潰し、とても監視が出来なかったからである。しかし今後、貴社がよく見てくれるなら、その成績によっては毎日の夜にでも裏門を開け、椅子も新しく設置する」と言っている。本社では、市民の中に公徳心がそのように幼稚な人がいることを、真心から悲しむとともに、多くの市民に心から願うは、文明人としての体面を振り返り、一部の人たちの間違いで、不幸と悪評が朝鮮の人全員に返ってくることを深く考えてみて、花も木も芝生も力尽くして保護し、お互いが警戒し合うことを心から願うばかりであり、もしいかなる不良輩が社会の公徳を無視するそのようなことがあろうとも、思いっきり勧告してこそ、他人からの羞恥から免れることができよう。一般市民は、深く気をつけようではないか。>
他に、アイスやビールを売っていた、公衆トイレはもちろん、ガラスでできた温室もあった、などなどと塔骨公園に関する記録が残っています。「夏に休める場所も無かった京城市民たちの、可愛くて涼しい避暑地」、「多少ぎこちない洋服(スーツ)姿でこの公園を散策することは、男の自慢だった」、「(そして、そんな男を狙う)売春婦もちらほら」だったそうです。しかし、それから1930年代の不景気と、他の公園が次々と開園したこと、いまどきの言葉で「ホームレス」たちが居座るようになったなどで、塔骨公園の人気は下火になっていきました。
それから、韓国の経済成長期に、周辺に商店街が作られたり、復活(?)を成し遂げたものの・・ソウル初めての公園で、もともとは王の所有だったこと、そして31運動が始まった場所というネームバリューがあって、1983年、「史跡公園」としての側面が強調され、今の形となりました。その際、『日本式だ』『伝統式に復元する』という理由で、正門やソース記事の裏門(北門)など4つの門は、取り壊されました。
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