最近、韓国側の「日韓首脳会談で一括打開」関連記事を読んでいると、「この人たちにとって首脳会談っていったいどんなものなんだろう」と疑問に思わずにはいられません。万が一、首脳会談が出来たとします。それで、何が変わるのでしょうか。首脳会談で万事うまくなら、今頃、南北や米朝関係はうまぁぁぁぁく行っているはずですが、そうではありません。
昨日読んだ記事の中で特に面白かったのは中央日報です。最大手とされる中央日報に、菅総理が「首脳会談できる状況を、韓国側が備える必要がある」と話したことで、「菅総理が『参加しない』とは言わなかった。言い換えれば条件付き受容だ。これは進展だ」とするコラムがありました。余談ですが、菅総理が訪韓(日中韓首脳会談)しないというのは、最初から『現金化中止の確約』という条件付きの話でした。
昨日のファイナンシャルニュースの社説に、こんな内容がありました。
<<・・ムン・ジェイン政府の姿勢転換が晩時之嘆(※遅すぎる感がして嘆かわしい)ではあるが、望ましいことだ。昨今の東北アジア安保地形を考慮すれば、そうだ。米中対立が激化するばかりで、北朝鮮さえ核保有を既成事実化しようとしている。さらに北・中・ロ三角同盟が復活する兆しで、韓日が背を向けては、お互いに損だ。特に韓・米・日の共助が崩れると、中国に一方的振り回されるリスクが大きい・・
・・米国が新政府発足を控えている。同盟を重視するバイデン次期大統領は韓日協力仲裁に積極性を示す可能性が多分にある。過去オバマ政府が軍事情報保護協定と慰安婦の合意を直接的・は間接的に圧迫したのと同じだ。日本も来年の東京オリンピックの成功に首ったけだ。今こそが韓日関係を復元する適期である。
ただしそのために強制徴用賠償問題という沼から如何に抜け出すかがカギだ。韓日双方がお互いに自国世論を意識して身動きできない状況である。日本が輸出規制措置を解除して、韓国が徴用企業の韓国内の資産現金化措置を猶予する案が妥協策として挙げられる。しかし、これも、首脳同士のトップ・ダウン方式の決断が必要な課題である。韓日両国が、状況に流されてではなく、共生の未来を一緒に開く姿勢で、なるべく早く首脳会談を持つことを期待する>>
じゃ、最初から問題を起こさなければよかったのでは。韓国内だけ見てもそうです。『こんなこと』になるのではと、関連裁判を遅延させていた朴槿恵政府と当時の最高裁判所長に、文在寅政府と韓国社会が何をしたのか・・各紙は、もう完全に忘れているようです。それに、首脳会談それ自体はともかく、首脳会談の後にこれだけのバラ色の未来を確信する根拠は何なのか、気になります。
以下、「まさか、な」と、冗談半分で書いてみます。
韓国には、「面駁(면박)」と言う言葉があります。面に向かって叱る、罵るという意味で、人をもっとも見下す行為とされます。ちゃんと面に向かって叱るのは、それこそ相手の体面を潰す行為だからです。ですが、この『駁』の字には、叱るとか罵るとかの意味だけでなく、別の意見を言う、反論する、という意味もあります。だから、面駁を屈辱だと思う背景には、「会って話せば、とにかく話が合う。相手が私に話を合わせてくれる。まさか、私に合わせないはずはない」と思っている心理があります。言い換えれば、相手を『下』として見下す心理が敷かれているとも言えましょう。上の身分の私が直接会って話しているのに、私に合わせてくれないはすはない、と。
韓国は、まさか日本が首脳会談で強硬な態度は取れないだろう、ゴリ押しすれば、韓国に有利な内容の言質を取ることができる、そう思っているのかもしれません。考えてみれば、文大統領が米朝首脳会談を仲裁するとしながらやったことも、『とりあえず会ってみて』でしかありませんでした。
それとも、『王は何でもできる』と、いわば首脳が会って話せば、なんだかんだで結果的には国会も国民も従うことになる、と思っているのでしょうか。どちらにせよ、本当に前近代的な考え方です。韓国は、自分便利なときだけ、日本に『韓国への情(または善意など)があるではないか』を強調することがありますし・・『まさか』、そんなものが根拠ではないでしょうけど。
最後に、前から韓国には、『日本は本当は韓国と話し合いたいと思っているけど、言い出せないでいる』という分析がありました。最近のものだと、『ツン日本は、実はデレ』エントリーがあります。そういう分析(?)もまた、韓国が首脳会談を言い出せば、日本は結局出てきて、韓国に有利な方に話ができる、という妙な自信を韓国側に植え付けているのかもしれません。
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