予定に無かった更新で、韓国内の話題です。多分、韓国では、しばらくはこの件がトップニュースになるでしょう。
韓国の検察改革については本ブログでも何度か取り上げたことがあります。裁判所を掌握した文政府の次のターゲットこそが、検察でした。北朝鮮のスパイ行為や、高位公職者(歴代大統領)の逮捕に関わってきた部署を、ほぼ解体に近い形で追い込んだり、事実上の『政府傘下』にするなど(高位公職者犯罪捜査処)、文大統領は検察を徹底的に叩いてきました。そんな中、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長と、彼を支持する検察関係者たちが、露骨に政府の検察改革に反対してきました。特にユン総長の『防御力』は素晴らしく、あのチョ・グク氏も、ユン総長の影響力を検察から完全に消すことは出来ませんでした。
チョグク氏の後任であるチュ・ミエ法務部長官は、検察への人事権限を利用してユン総長をさらに孤立させましたが、それでもユン総長は政府との対立姿勢を崩さないでいました。ユン総長は、保守右派の次期大統領候補とまで言われるようになりました。
しかし、ついに、法務部長官がユン総長に職務執行停止措置を取りました。制圧抵抗してきました。検察関連で騒ぎの多かった韓国の歴史(1948~)でも、初の事態となります。右派政権でも左派政権でも、今までこんなことはありませんでした。日本語記事がありましたので、時事通信から部分引用してみます。
<<・・韓国の秋美愛法相(※チュ・ミエ法務部長官)は24日の記者会見で、複数の不正の疑いを確認したとして、尹錫悦(※ユン・ソクヨル)検事総長の職務執行停止を命令したと発表した。政権中枢への捜査を辞さず、「検察改革」に抵抗する尹氏を排除する狙いとみられるが、強権的な手法に法相への反発が強まる可能性もある・・
・・韓国では、大統領経験者の不正を厳しく追及するなど検察が絶大な権力を握ってきたが、文在寅政権は「検察改革」を進めて権限縮小を図っている。改革への抵抗姿勢を鮮明にする尹氏は最近、保守系の次期大統領候補として世論調査で上位につけており、秋氏との対立も深まっていた・・>>
余談ですが、チュ・ミエ長官は、兵役中の息子さんが「休暇が終わったのに部隊に帰還せず、電話で休暇を延長した」ことで、検察が捜査を進めたことで、チュ長官と検察の仲は最悪となりました。普通、電話で休暇延期は考えられません。
当時、チュ長官が「兵役をちゃんとやっているうちの息子はまるで安重根(韓国では英雄です)」と話したりしましたが、「何いってんだ普通に脱営だろうが」という反論もありました。
まだ本格的には機能していませんが、すでに「高位公職者犯罪捜査処」が出来ています。これは、「高位公職者の職務関連不正腐敗を独立した場所から厳正捜査し、裁判官、検事、警務官級以上の警察に対して起訴することができる機関」となっています。「検察の捜査の過程で発見された高位公職者の犯罪情報は、まず高位公職者犯罪捜査処にかならず通報しなければならない」という条項があり、『検察が高位公職者(大統領府関係者なども含めて)を捜査するにおいて、事実上の検閲機関になる』とも言われています。高位公職者犯罪捜査処と、ユン総長の職務停止。文在寅大統領の検察改革は、やっとネクストレベル(検察掌握)に進めるかもしれません。
で、ここからは邪推ですが・・チュ長官(政府)側は「ユン総長には数々の不正がある」としているし、ユン総長側および保守野党側は「政治的な横暴だ。法務部じゃなくて非法部だ」と主張しています。どちらかというと後者のほうに説得力があるとは思いますが、個人的に、「調べてみると、多分、どちらも本当だろうな」と思っています。邪推です、邪推。
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