本ブログでも何度か取り上げた「日本は南北統一を妨害している」という理屈、また出てきました。今回は「南北が統一すると、日本はサンフランシスコ体制の有利さを失うことになるからだ」となっています。
韓国で統一関連の人たちがサンフランシスコ体制と言うのは、『冷戦のおかげで日本は発展できた』という理屈だけに集約されています。だから、南北が統一するとその利点を失うことになるし、だから統一を邪魔する、というのです。どうやら、韓国において冷戦対立は南北しか存在しないようです。以下、「釜山日報」というローカルメディア、インジェ大学統一学教授ジン・ヒグァン氏の寄稿文からの引用です。
<<・・日本の保守陣営は、金正恩体制も文在寅政府も、どちらも反日政権だと規定しており、したがって、韓半島問題が解決されて、南北関係が改善されることを望んでいない。日本は、北朝鮮の非核化が行われ、朝米関係が改善され、外交関係が成立したり、平和体制が樹立されることを望まないでいると評価される。そうなったら、サンフランシスコ体制が終わり、もはや「サンフランシスコ講和条約」(1951年9月)の利益を受けられなくなるからである。したがって、これらの日本の保守陣営の立場が確認されているだけに、バイデン時代、私たちの統一外交はこれまでよりも重要になると思われる。
要するに、米国バイデン政府は、米朝関係を、時間をかけて慎重にアプローチするであろう。日本の菅政府は依然として、安倍政府を継承して、韓半島が平和ムードになるには役に立たないだろうと予想される。したがって2021年には、当事者である南北が主導的に関係を解決しなけれならず、希望的期待を持つことは困難である。
南北ができることにも多くの制約がある。コロナ19が出会いを邪魔しており、すでに国連と米国の独自の対北朝鮮制裁が南北交流の足を引っ張っている。国連決議2397号は、北朝鮮が制裁を遵守する場合は、制裁を変更したり、中止したり、廃棄することができるとなっているが、北朝鮮は2年目の核実験とICBMの発射実験をしていないにもかかわらず、国連の制裁には何の変化もない。
結局、2021年は、私たち自身で何かできないかに集中しなければならない。会うのが難しく交流も難しいなら、今は計画を立てていかなければならない。すなわち、実現可能で持続可能な計画を策定するのだ>>
この「サンフランシスコ体制で日本に利益が うわあぁぁぁぁ」論は、他にも韓国の統一関連学者さんたちも唱えています。日本がそのおかげで利益を受け過ぎで、韓国は南北分断で被害者~~~という流れになります。
しかし、あえて極端な形で異論を書いてみますと・・個人的に、南北分断のおかげでもっとも発展できた国は、日本ではなく韓国だと思っています。南北分断が無かったら、米国がここまで韓国に力を入れたのでしょうか。
それに、『米国にも日本にも期待できそうにない。私たちで何かをしよう!』としておいて、ここで寄稿文が終わるのもどうかと思います。引用部分は寄稿文の最後で、これで終わりです。なんか、「『日本が悪い』が書けたからそれでいい」という感じです。気のせいでしょうか。
拙著<「反日」異常事態>が発売中です!ありがとうございます!
♨ 拙著のご紹介♨ 以下、拙著の題の部分はアマゾンリンク(アソシエイト)になります。リンクされたページで電子書籍版もお選びいただけます。
・現在の最新刊は<「反日」異常事態(2020年9月2日発売)>です。いわゆるK防疫として表出された、韓国の反日思想の本性である『卑日(日本を見下す)』とその虚しさについて主に考察しました。本ブログの「反日 異常事態」紹介エントリーもぜひお読みください! ・<高文脈文化 日本の行間>は、私が日本で暮らしながら感じた『日本語』に関する本です。 ・<なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか>は、韓国社会の「借りたお金を返さない」心理と日韓関係の現状の類似点を考察した本となります。他のシンシアリーの拙著については、書籍紹介ページをご覧ください。ありがとうございます。
・シンシアリーはツイッターをやっています。他のSNSはいまのところやっていません。ほとんどが更新報告ですが、たまに旅行先の写真をツイートする時もあります。よかったらチェックしてみてください。・本ブログのコメント投稿、VPN・PROXYからはうまくいかない場合があります。リンクはhttpの「h」を消してください。