韓国、『南北合意書を違反したら、3年以下の懲役又は3000万ウォン以下の罰金』法案が処理される・・対北ビラも禁止

前から話題(思わしくない意味で)だった「対北ビラ散布禁止」、ついに法律改正案として処理されました。「金与正下命法」と呼ばれているこの法、しかも与党単独処理でした。しかも、ビラ以外にも南北合意書の内容に違反した場合、3年以下の懲役又は3000万ウォン以下の罰金にするという内容も含まれています。ちなみに、南北首脳会談での共同宣言は、国会批准もまだ受けていません。なのにその合意内容でこんな法律作っていいのかどうか、よく分かりません(控えめに言って)。以下、毎日経済の記事から部分引用してみます。

<<共に民主党が、北朝鮮人権団体の対北ビラ散布を禁止する、いわゆる対北ビラ散布禁止法を、野党が不参加した中で単独で処理した。2日、国会の外交統一委員会は、全体会議を開き、対北朝鮮ビラ散布を禁止する内容を骨子とする南北関係の発展に関する法律の改正案を処理した。改正案は、対北ビラ散布行為など、南北合意書を違反した場合、3年以下の懲役又は3000万ウォン以下の罰金に処するようにしている。

 

これは去る6月に金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が、南側の民間団体の対北ビラ散布を口実に非難を吐き出し、韓国側資産である個性南北共同連絡事務所を爆破した際に、与党議員が急いで発議した法案だった。

対北ビラ散布法を「金与正下命法」と批判してきた「国民の力」など野党は、同日の改正案の処理の直前、会議場から出ていった。去る7月、対北ビラ及び物品を散布してきた民間団体自由北朝鮮運動連合と『クンセム』の法人登録を解除した統一部は、この日、改正案の処理への歓迎の意思を明らかにした。

統一部は「112万国境地域の住民を含む『国民の生命安全保護法』であり、南北間の合意(板門店宣言)を履行する転機を設けることができるものと評価する」と伝えた・・>>

 

ちょうど、今朝のエントリーと内容が繋がる気がします。別に合わせたわけでもありませんが・・

繰り返しになりますが、南北合意書というのは、基本的に首脳会談を際に南北で決めた内容が含まれます。文政府としては、軍事境界線付近での敵対行為を一切中止するという内容の「9・19軍事合意」などがそうです。

ですが、ご存知、韓国の憲法では「北朝鮮は国家ではない」になっているので、法的効果を出すことはできないでいます。確実なことは韓国の国会で同意(批准)を得ることで国内法として効果を出すことですが、いままで南北合意関連はおろか、首脳共同宣言すらも、国会で批准されたことは一度もありません。そもそも、政府側が「国会の批准が必要ではない」としています。憲法で北朝鮮を『違法占拠』としている韓国において、この側面はかなり曖昧です。なのに、それを基準にしてこんな法律作ってもいいのかどうか?・・・って、そんなこと気にしてないでしょうけど。

 

そして、さらに気になることがあります。ここまでやって、それでも北朝鮮側が何も反応を示さなかった場合、与党はどうするのか、です。『命令に従って当然だ。何かの代価を望むな』という展開になるわけですが。それとも、それを望んでいるのでしょうか。

 

 

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