文在寅大統領が、「慰安婦賠償判決に困惑している」「慰安婦合意は政府公式合意」「慰安婦合意を土台にして解決できればと思っている」と話しました。また、元徴用工問題でも「現金化は望ましくない。その前に外交的努力を」とも。これらは、完全に今までの文大統領自分自身の発言を否定するものであり、「何をどうすればいいのか私にも分からなくなりました」と言っているようなものでしかありません。新年記者会見(質疑応答)でのことです。以下、YTNから部分引用してみます。ソースページの動画の自動再生にご注意ください。
以下、毎日新聞ホリヤマ記者(※原文にホリヤマとだけ書いてあって、カタカナ表示にしました)の「慰安婦問題に対してはいままで河野談話や慰安婦合意など外交的努力があったが、8日の裁判で否定されてしまった。外交的努力があったにもかかわらず、日本政府の資産が差し押さえられ、売却されるべきだと思っていますか」という質問に対し、文大統領の返事の内容です。
<<・・韓日間には解決すべき懸案があります。まず、輸出規制の問題があり、強制徴用判決の問題があります。その問題を外交的に解決するために、両国が様々な次元で対話をしています。そのような努力の中、また慰安婦判決の問題が加わって、正直に言って、ちょっと困惑しているのが事実です。
しかし、私がいつも強調して申し上げたいのは、過去の歴史は過去であり、韓日は未来志向的に発展していかなければならないと考えています。私は過去の問題も事案ごとに分離して、お互いの解決策を見つける必要があると思います。すべての問題を互いに連携させて、ある問題が解決されるまで、例えば他の分野での協力を止めるとか、そのような態度は、決して賢明でない方法だと思います。
最近あった慰安婦判決の場合、2015年度に、両国政府間で慰安婦問題に対する合意がありました。韓国政府は、その合意が両国政府間の公式の合意だったという事実を認めています。そんな土台の上で、今回の判決を受けた被害者たちも同意することができるような解決策を見つけていくことができるよう、韓日間の協議をしていきます。
強制徴用問題も同様です。そのような部分が、強制執行という方法で、それが現金化されるとか、判決が実現される方法は、韓日両国間の関係において、好ましいとは思いません。そのような段階になる前に、両国間の外交的な解決策を見つけることが優先ですが、ただ、その外交的解決策は、原告たちが同意する必要があります。原告が同意することができる方法を両国政府が協議して、また韓国政府がその案を持って原告を最大限に説得する、そのような方法で問題を着々と解決していくことができるだろうと、私は考えています>>
繰り返しになりますが、自己否定(?)が増えてきました。初頭に書いたこと以外にも、「判決が実現される方法は望ましくない」というのも、結局は三権分立がぁあぁあぁあぁとしてきた自分自身の発言を覆すものでしかありません。どうやら、13日に予定されていた別の慰安婦裁判が急に延期されたのも、やはり偶然ではなかったようです。同じ流れからして、「原告が同意しないとダメ」というのもただの時間稼ぎで、「次の大統領」に丸投げするためではないのか、そんな気もします。それに、どことなく『私は外交的解決したい。原告のせいで解決できないでいる』という責任逃れにも見えますし・・
また、露骨に言う勇気は無かったようですが、「案件別に処理しましょう」というのは、『元徴用工問題と輸出管理厳格化を繋げないでほしい』ということでしょう。質問は慰安婦問題に関するものがメインだったのに、ここで輸出管理厳格化に言及しないといけない他の理由でもあったのでしょうか。実は結構困っている、とか。邪推にすぎないかもしれませんが。
(※以下、追記です)各紙が日本側の反応を報じています。マネーSの記事から該当部分だけ引用してみます。
<<・・毎日、産経など日本の主要メディアは、文大統領の「率直に言って困惑」という表現を記事の題にし、関心を示した。右翼性向の産経新聞は「困惑だ」という表現に加えて、「韓日合意は公式合意」「(日本企業)資産現金化は望ましくない」をタイトルに付けた。現政府批判性向の朝日新聞は、文大統領が日本企業の国内資産の現金化よりも「外交的解決策を探すのが優先」としたことに注目した。原告が同意することが必要だと強調した点も付け加えた。中道性向の毎日新聞は、文大統領のこの発言と、2015年慰安婦合意について「公式合意であったことを認めている」とした部分を伝えて、被害者が同意することができる解決策を日韓の間で探るようにするという意味を表わしたと注目した・・>>
「くだらない」。良し悪しの問題ではない。ゴールポストが動く。くだらない。重要なのは、そこでしょう。そもそも、本当に慰安婦合意を認めるなら、「非可逆的に最終的に解決」という部分から認めてほしいものです。日本内部に、今回の文大統領の発言を、肯定的に受け入れる(または肯定的なことにしようとする)動きがあるのではないかと、ちょっと心配です。
拙著<「反日」異常事態>が発売中です!ありがとうございます!
♨ 拙著のご紹介♨
以下、拙著の題の部分はアマゾンリンク(アソシエイト)になります。リンクされたページで電子書籍版もお選びいただけます。
・現在の最新刊は<「反日」異常事態(2020年9月2日発売)>です。いわゆるK防疫として表出された、韓国の反日思想の本性である『卑日(日本を見下す)』とその虚しさについて主に考察しました。
・<高文脈文化 日本の行間>は、私が日本で暮らしながら感じた『日本語』に関する本です。
・<なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか>は、韓国社会の「借りたお金を返さない」心理と日韓関係の現状の類似点を考察した本となります。他のシンシアリーの拙著については、書籍紹介ページをご覧ください。ありがとうございます。
・本ブログのコメント投稿、VPN・PROXYからはうまくいかない場合があります。リンクはhttpの「h」を消してください。サブブログに議論エントリー(1~3)と雑談エントリーを用意しました。サブブログは、コメントに返信可能な仕様です。長くなりそうな話にはサブを利用してください。
・シンシアリーはツイッターを利用しています。