海底トンネルと中華思想

本ブログでも、拙著でも何度か取り上げたことがありますが、韓国は「日本は、日韓海底トンネルを欲しがっている」と盲信しています。野党「国民の力」の非常対策委員長キム・ジョンイン氏が、この海底トンネルを積極的に検討するといい出しました。まずこの部分、聯合ニュースから部分引用してみます。

<<・・キム委員長は「加徳島(ガドクト)と日本の九州をつなぐ韓日海底トンネルの建設を積極的に検討する」とも話した。韓日海底トンネル事業について「日本に比べてはるかに少ない財政負担で、生産付加効果54兆5000億ウォン、雇用誘発効果45万人に達する巨大な経済効果が期待される事業」と説明した。キム委員長は、「鉄道や高速道路もきっちり繋げて、南北内陸鉄道を加徳島まで連結し・・>>

 

「日本に比べて遥かに少ない財政的負担で建設できる」という部分。これは、一見、韓国側はトンネルが作りやすいとかそんな話のようですが、実は違います。前にも似たような話がありましたが、これは『費用は日本のほうが多く負担する』という意味です。

日本側から何かの提案があったわけでもないのに、なんでこんな話が出てくるのか。論拠は簡単で、「日本は大陸進出を狙っているから」という、100年前の時代を生きているような考え方です。これは、南北鉄道連結の話が出たときから、さらに強くなりました。2018年のものですが、朝鮮PUBという寄稿文サイトから部分引用してみます。

 

<<昔も今も日本人の生活は韓国への依存度が大きく、今後もそうだろう。そして、これから日本が島国の孤立と疎外から抜け出すためには、私たちに頼るしかない。それでも、日本の一部の政治家たちは過去の歴史の迷夢にとらわれ人類の普遍性と自由と人権の拡大という世界史の流れを無視している。これを直さなければ、日本の未来は決して明るくないだろう・・

・・特に南北交流が活性化された遠くない将来には、釜山から車や電車に乗って、中国やロシアを経て欧州まで行けるようになり、日本は国運をかけて韓国に海底トンネルを作ろうと泣きついてくるだろう。海底トンネルこそ島国の孤立と疎外を破ることができる良い手段だからだ・・>>

 

この考え方に同意する人は意外なほど多く、キム・ジョンイン氏の今回の発言も、鉄道連結の話とセットで出てきました。与党は『親日だ!』と反対しましたが、その際にも同じ考えを垣間見ることが出来ました。この部分も聯合ニュース、別の記事です。

<<・・チェ・インホ首席報道官はこの日、イ・ナギョン代表とキム・テニョン院内代表などが参加した党高位戦略会議後のブリーフィングで、「韓日海底トンネルは、韓国よりも日本により多くの利益をもたらすことが確実である」と言った・・・「海底トンネルは日本の膨張的外交政策と大陸進出野心に利用されるだろう」とし「釜山が日本の九州経済圏に編入されると、釜山が単なる経由地になってしまう」と指摘した・・・ヤン・ギデ共に民主党議員も「日本へのバラマキ妄言だ」と「ユーラシア大陸鉄道の出発点を、日本に貢献するつもりの売国的発想である」と話した・・>>

 

どことなく、『大陸(といっても中国ですね)と繋がること』に精神的に拘る中華思想の一種にも見えますが、さすがに気のせいでしょうか。

 

 

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